KAT-TUNとSixTONES、両者に共通するスタンス 『ジャニフェス』コラボステージから辿る

 続くKAT-TUNの「Roar」。デビュー前から東京ドームのステージに立ち、ここを主戦場にしてきたKAT-TUN。3人の佇まいからも会場の扱い方を熟知した“場馴れ”感が窺えた。繊細なピアノの始まりからダイナミックなメロディへ変わると、3人のバックにはいくつものモニターが出現。本楽曲は亀梨主演のドラマ『レッドアイズ 監視捜査班』(日本テレビ系)の主題歌に起用され、ドラマは松村との共演でも話題を呼んだ。響介を演じた亀梨と小牧を演じた松村、神奈川県警捜査分析センターを舞台にしたストーリーを彷彿とさせる抜かりない演出だ。

 ラストはKAT-TUNがこれまでライブで幾度となく歌ってきた定番ソングの一つ「ハルカナ約束」。デビュー前、2003年のオリジナル曲をSixTONESを迎えてより一層華やかに、豪華なコラボをみせた。嬉しそうに歌う髙地、亀梨に翻弄される森本、亀梨に肩を抱かれた松村、ハイテンションなジェシー、熱唱する田中、「暴れろー!」と上田の叫びに、整えたヘアも気にせず激しいヘドバンで応える京本。さらに田中は、上田が頭をポンポンと叩くと笑顔を見せた。共演の機会はそう多くはないものの、会えばなんらかの爪痕を残す2人(2017年開催『ジャニーズ大運動会』での会話が懐かしい!)。9人とも、アイドルらしいさわやかさと疾走感あるロックサウンドに弾けていた。

 ラップバトルのような緊張感もあれば、大きな看板を背負う仲間としての空気感も。昔から知ってる間柄ではあるが、馴れ合いではない……ステージ上で音楽とファンを前にした彼らの妥協のない向き合い方、共鳴する姿には痺れるものがあった。何より、久しぶりの東京ドームでのびのびと歌い、踊る姿がたまらない。それぞれ求められていることにきっちり応えるが、大人しくしちゃいられない。枠組みにとらわれず小さくまとまらない点も彼らに共通することの一つだろう。

 お互いの世界感にしっかり溶け込んでいた2組。これぞコラボ、フェスならではの見ごたえあるステージを繰り広げた。時間にしてわずか12分。クールで熱くて激しい、そしてどこかドラマチックな時間だった。またいつか、お互いの楽曲をぶつけあうようなコラボステージを見せてほしい。

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