BiSHや嵐、解散・活動休止宣言はトレンドに? 別れの期間を設ける事前予告のメリット
嵐に対してBiSHはどうだろう。BiSHの解散は2年前から決まっていたことが解散発表後に公開されたYouTube動画にて語られている。
「BiSHが一番カッコいいタイミングで解散する」と語るメンバー。思えばアイドルとしては異例とも言えるような展開を続けた彼女たちが音楽シーンの中でここまで大きな存在となるとは、デビュー当時「BiSH -星が瞬く夜に-」の馬糞まみれのMVが公開された頃は思いもよらなかった。解散発表と同時に告知された、BiSHファンの通称“清掃員”との約束「BiSHからのPROMiSE」では、 2022年1月から12カ月連続リリース、これまでライブを開催したことの無い地域を回る『COLONiZED TOUR』と、『BiSH FES.』の開催、ベストアルバム『FOR LiVE -BiSH BEST-』の収益を寄付した全国33都道府県67店舗のライブハウスツアーの開催と、4つある公約の内3つがライブに関連したものとなっており、ファンと直接会う機会をこの先の時間で相当数設けることが伺える。
この「BiSHからのPROMiSE」を踏まえると、BiSHも解散までに1年以上のスパンを設けたのは嵐同様、ファンの気持ちに直接会って応えるための期間ということになるだろう。特にBiSHフェスの開催は、これまで“楽器を持たないパンクバンド”として、各地のロックフェスやロックバンドとの対バンでその爪痕を残してきたBiSHの集大成のようなフェスになるはず。これまでファンに様々なサプライズを用意し続けてきたBiSHのことだ。解散までの限られた時間ではあるが、まだ発表していない驚くような発表でファンへの感謝を伝えていくことだろう。
また、BiSHは2022年〜解散に向けて、ライブやイベントのプレミア化が起こることも予想できる。解散が来るまで清掃員は一丸となってメンバーを見守り、おそらく解散という希少価値によってこれまでBiSHのライブに足を運んでいなかった層もライブに足を運ぶだろうし、それに伴うグッズの売り上げも見込めそうだ。そういう意味では、ファンとメンバーのコミュニケーションが第一にありつつ、グループ解散までの流れを物語として見せるエンタメ性、事務所やレーベルにおけるマネタイズと、解散までの猶予期間を設けることは多方面に利があり、全方位に感謝を伝えることができる。
これまで応援し続けてくれたファンへの感謝を、じっくりと時間をかけて伝える。それはグループの解散や活動休止というグループの決断を納得できない、飲み込めないファンにも理解してもらおうというグループの最後の誠意の表れだ。BiSHは残りの時間でどれだけの誠意をファンに伝えるのだろう。その姿に期待したいと思う。
※1 https://www.oricon.co.jp/news/2128387/full/