さくらしめじ、STUDIO COASTでの最初で最後のワンマン 2人の姿に見た“アコースティックデュオ”としての原点
「残りわずかですけど、最後まで全力をぶつけたいなと思ってます」(雅功)と告げ、ブルーに染まる照明の中、ピアノをフィーチャーしたサウンドスケープを持つ「風とあるがままに今を歩こう」を。その美しくも力強い景色の中で歌われた真っ直ぐなメッセージに、すべての人が大きな勇気を受け取ったはずだ。そして、彪我の「これからもみなさんに夢を届けられるよう頑張ります!」という一言をきっかけにスタートした本編ラストナンバーは「My Sunshine」。ミラーボールがキラキラと眩い光の粒を降らせる中、ハッピーな感情を詰め込んだ2人の歌声が感動のエンディングへと導いていった。
アンコールは「きのうのゆめ」でスタート。雅功のしっとりとしたボーカルに彪我の声が柔らかく重なっていき、さくらしめじにしか描き出せないハーモニーが目の前で生まれていく。お互いに顔を見合わせながらアコギをかき鳴らし、歌声を乗せていく2人の姿に、アコースティックデュオとしての原点をあらためて見たような気がした。たった2人とは思えない、ふくよかな音楽世界がそこにはあった。そして、「みちくさこうしんきょく」では、声が出せない状況ながらも雅功が「みんな一緒に。心の声で歌いましょう!」とオーディエンスに投げかける。その思いを受け取ったすべての観客が心の中で歌を奏でることで、会場には確かに“♪ラララ”の大合唱が鳴り響いていたように思う。来年1月での閉館が決まっているUSEN STUDIO COASTでの最初で最後のワンマン。さくらしめじにとって特別な意味を持つライブは、あたたかなムードで幕を閉じた。