NiziU RIO&RIMA、ステージで見せる頼もしい姿 自分だけの武器を磨き続ける2人の歩み

 一方、RIMAの課題は自分だけの個性を発信する力だったように思う。素人目線では十分に最初から強いインパクトを放っていたが、J.Y. ParkはRIMAが「典型的な表現」にとらわれていることを瞬時に見抜いたようだ。多くの才能を持ち、一見堂々とパフォーマンスを発揮しているRIMAだが、『NiziU 9 Nizi Stories』(Hulu)第7話で分かったように実はあがり症。地域予選や東京合宿では、緊張して自分が思うような成果を発揮できなかったことを明かしている。

 努力家で、言語やダンス、ラップやドラムなど、幼少期からいろいろなものに触れてきたRIMAだからこそ、そこで見たプロの表現を自分のものとして取り入れてしまったのだろう。どこかで自分の力を信じ切れないでいたRIMAの鎧だったのかもしれないJ.Y. ParkはそんなRIMAに「そのままで十分魅力的だから、自分自身を見せてほしい」と何度も伝えてきた。少しずつJ.Y. Parkの言葉が意味することを理解した彼女もまた、韓国合宿で肩の力を抜き、パワフルで等身大のステージを届ける。

 オーディションを振り返ってみると、RIMAはメンバーの前で弱音を吐いたことは一度もなく、常に不安がる子たちを支えてきた。例えば韓国合宿でRIOやNINAとチームを組んだ際、歌が上手く歌えず一人で練習していたRIOに「大丈夫だよ、できるできる!」、他のメンバーには「私たちは本当に楽しむことができる。そんな自信がちょっとある!」と声をかけていた姿が印象的だった。そんなRIMAが、『SUPERSONIC 2021』でも披露した「Step and a step」で〈You’ll be okay〉とラップで歌う姿には、自信のなさを乗り越えた頼もしい説得力があった。

NiziU 『Step and a step』 Dance Performance Video

 さらにライブ中のRIOに最も驚かされたのは、ダンスの安定感。約30分間に全5曲を披露するというハードなスケジュールの中、激しいダンスで相当な体力を消耗したはず。それなのにRIOの動きは一瞬もブレることなく、滑らかで歌のパートでも息が上がっていない。しっかりと観客に目を配り、主役として会場全体の盛り上がりもリードしていた。

 そんなRIOが、『NiziU 9 Nizi Stories』第2話冒頭で、「いまだ自分がデビューして、たくさんの方々の前に立つ存在っていうのが実感ができていない」と語っていたことを思い出す。デビューから約1年、ようやくファンの前に立ったNiziUの景色はどうだったのか。被っていた殻を脱ぎ、自分の持つ武器を磨き上げたRIO&RIMAをはじめ、一人ひとりが更新を重ねるNiziU。新たなフェーズに立った彼女たちの、次なるステージを『バズリズム LIVE 2021』で目撃したい。

関連記事