1st EP『DAYBREAK』インタビュー
鞘師里保が見つけた”鞘師里保としての生き方” グループ卒業、留学、活動再開へと至る5年半を振り返る
EPは“今の鞘師里保を記録した一枚”
ーー3曲目「Simply Me」はどのような思いで書かれたんですか。
鞘師:「BUTAI」が激しいダンスナンバーなので、オーディエンスの方も参加できるような踊れる曲を作りたいと思いました。なので歌詞も「シンプルに生きる」をテーマにして、シンプルさとノリが楽曲と歌詞の共通点なのかなと思います。
ーー〈全部自分次第 生きなきゃしょうがないでしょ〉というのは、鞘師さんらしい潔い言葉だなと思いました。
鞘師:私もそうなんですけど「今日は疲れたから」とか「夜遅いから」とか何かのせいにして、やるべきことを諦めたり先延ばしにすることってあると思うんです。それなら環境を自分で変えなきゃいけないわけで。うだうだ悩んでいる間も刻々と時間が過ぎていくのに、足踏みしているのはもったいないことしているなって。だからこそ「限られた時間をちゃんと生きなきゃ意味ないじゃん」という思いを込めて書いたフレーズですね。
ーー4曲目「Puzzle」は全体的に明るいサウンドで、作品の雰囲気がガラッと変わりますね。
鞘師:これは私の友達に対して書いた曲です。自分が頼りにするほど優しくてしっかりしている子なんですけど、ある日、人が変わったように悲しんでいる姿を目撃して。そのとき「この子の弱いところにもっと早く気づいてあげられたら」と考えて思い浮かんだ感情が反映されています。
ーーまさに冒頭の歌詞がそうですね。
鞘師:歌詞カードには明記してないですが「あなたが大切な存在だって今さら気付いた。とにかくあなたが特別なんだって説明したい」と歌ってます。(トラックを)初めて聴いたとき、音自体にもストーリーがあるというか、過去の良い思い出がフラッシュバックされるようなサウンドだなと思いました。この曲だけコンペ形式で数ある楽曲の中から選んだんですよ。
ーー他の曲は違うんですか?
鞘師:今回は1曲ごとに違うやり方で制作をしました。「Find Me Out」は歌詞を書いてから宮野弦士さんに曲をつけてもらって、「BUTAI」と「Simply Me」はAkira SunsetさんとAPAZZIさんに「こういうイメージの楽曲にしたいです」と先に作曲していただいて。「LAZER」は作曲のTAKAROTさんと作詞のカミカオルさんと私の3人でイチから話し合って作りました。
ーーそれこそ5曲目の「LAZER」は音の広がりが一番壮大で、作品のラストを飾るのにピッタリな楽曲ですよね。
鞘師:ライブをしているときって、自分の生命力をすごく感じて、手を伸ばしたときに指先から念みたいな光線が出てるんですよ。気持ちの問題とかじゃなくて、本当に出ているんです! そんな話から生まれたのが「LAZER」というタイトルです。
ーーステージで歌っているときの気持ちを歌詞に落とし込んだわけですね。
鞘師:そうです。〈混ざる事はない できないけど 交わる一瞬のため〉という歌詞があるんですけど、ステージに立っている時間というのは、自分の好きとか情熱に対して真っ直ぐ生きている瞬間だなと思っていて。ライブのために皆がチケットを買ったり会場に足を運んだり、私もそのために歌やダンスを練習したり、お互いの真っ直ぐな気持ちが交わる場所だと思うんですよ。「ライブって、みんなのピュアな気持ちが重なる美しい瞬間ですよね」という話をTAKAROTさんとカミカオルさんにしながら出来ましたね。
ーーソロになって初めての作品が完成したわけですけど、改めてどんな一枚になりましたか?
鞘師:もちろん満足いく作品ができたなと思っているんですけど、ずっとこのスタイルでやっていくというよりは「私が自分自身を研ぎ澄ませていく過程を形にした」みたいな気持ちでいます。つまり、今の鞘師里保を記録した一枚。あとは私の考えていることとか、頭の中にあることを見せることで「実は、こんなことを考えていたんだ」と知ってもらえる作品になったと思います。
ーー今日、話を聞いていて思ったのが留学を決めた理由もそうだし、「Simply Me」での「限られた時間をちゃんと生きなきゃ」という話も含めて、鞘師さんってすごく人生を生き急いでいる感じがして。
鞘師:生き急いでる!?(笑)。
ーーだって、まだ23歳じゃないですか。そこまで先のことを重く考えてなくても良いような気もするんですよ。
鞘師:休業している間、無駄にした時間がたくさんあったんですよ。1週間くらい家から一歩も出ない生活を送っていた時期があって。それも今となれば無駄な時間ではなかったんですけど、そうやって何もない時間を過ごしたときに、すごく焦ったというか……自分の人生を放り出した感があったんです。それはすごく楽ではあったけど、こんな生き方は嫌だなと思った。自堕落に過ごしていたら、自分の行きたくない方向に人生が進んじゃう気がしたんです。
ーー若くして人生を達観してますよね。
鞘師:とはいえ、歌詞の締め切りが迫ってくると何もかも放り出したくなるときもあって。そういうスレスレのところで生きている感じなんですよ、今。ダラダラ過ごす時間も何かにとことん時間を費やすのも、どっちもすごく好きだけど、長い目で見たときに生き急いだ方が絶対に楽しい人生になると分かったんですよね。
ーー何もしないで寝ていたい人もいるじゃないですか。
鞘師:私も一生寝ていたい人ではあるんですよ(笑)。
ーーいやいや、それは感じないですよ。
鞘師:ダラダラしたい私とめっちゃ頑張りたい私とどっちもあるから、その狭間でグラグラしてます。
ーーそうですか? 何事もちゃんとしたい人というか、ストイックに生きたい人に感じるんですよね。だからこそ、色々と悩んできたんだろうなって。
鞘師:今までは、ストイックに生きないといけないってプレッシャーを自分で自分に与えていたんですよ。私生活から何もかも完璧な私でいなきゃいけない、と思っていて。常に仕事のことしか考えない人になろうと無理していたんですけど、そうじゃない自分にも薄々気づいていて、それは見ないようにしていたんです。だけど、今はそんな自分も理解し包み込んであげた上で、何が良い選択なのか考えるようになりました。
ーー素直に生きられるようになった。
鞘師:そうです。「こうしなきゃいけない」と思って生きていたんですけど、「今は何が楽しくなるんだろう」と考えることが増えてきました。傍から見るとストイックな印象があるかもしれないですけど、自分自身の捉え方は変わってきたなと思います。「みんなに求められる私にならなきゃいけない」と思って自分のことを頑張らせていたのが、好きなことに到達するために、自分ができることは何だろうって。その順番が変わるだけで、気持ちの向き方も変わるんだなと気づきましたね。
ーー5年半の間で、かなり心境の変化があったんですね。
鞘師:大人になったのもあると思うんですけど、経験や人の言葉に変えてもらったのが大きいと思います。
ーー何が一番変わったと思いますか。
鞘師:これまで失敗したり思ったように結果を残せなかったりすると、最初に自分を見限るのが私自身だったんですよ。今は、最初に自分を慰めてあげられるのが自分になってきた。ようやく自分で自分を抱きしめてあげられるようになりました。
ーー今まで目を伏せていた自分も、ちゃんと見てあげられるようになった、と。
鞘師:そうですね。やっと向き合えるようになってきた感じです。鞘師里保として生きるってどういうことなのか? それを見つけられた気がします。
サイン入りチェキプレゼント
鞘師里保サイン入りチェキを2名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。
応募方法
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※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
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<締切:9月16日(木>
■リリース情報
鞘師里保
EP『DAYBREAK』
2020年8月4日(水)発売
レーベル:Savo-r
配信リンクはこちら
【通常盤(CD)】2,273円+税
【初回限定盤(CD+DVD)】3,182円+税
<トラックリスト>
1.Find Me Out
作詞:鞘師里保 宮野弦士
作曲:宮野弦士
2.BUTAI
作詞:鞘師里保 Akira Sunset(THE SIGNALIGHTS)
作曲:Akira Sunset(THE SIGNALIGHTS) APAZZI(THE SIGNALIGHTS)
3.Simply Me
作詞:鞘師里保
作曲:Akira Sunset(THE SIGNALIGHTS)APAZZI(THE SIGNALIGHTS)
4.Puzzle
作詞:鞘師里保
作曲:orange spotting
5.LAZER
作詞:カミカオル 鞘師里保
作曲:TAKAROT