ドラマ『モコミ』を彩るGENERATIONS「雨のち晴れ」 困難な時代、聴き手を明るく照らすポップソング
そしてもちろん歌詞が発するメッセージについても、このMVでは非常に率直かつ鮮明に表現されている。それはつまり「晴れの日でも雨の日でも、太陽は等しく人々を照らしているし、自分は自分であり続ける」ということだ。全員が揃って傘を使用する後半のダンスシーンでも、「時には傘を差したりしながらも、一歩ずつ踏み出していこう」と伝えているように感じられた。
また、昨年の彼らを象徴する1曲であり年末の『第71回NHK紅白歌合戦』でも披露された「You & I」と、今作「雨のち晴れ」に通じるのは、困難な時代を生き抜く人々への愛ある目線と祈りが込められている、という点である。そこで特筆したいのは、それら楽曲が持つ普遍的で壮大なポップネスを、しっかりと説得力をもって表現する彼らのアーティストとしての胆力だ。2019年までにドームツアーを二度も成功させており、もとより人気と実力を兼ね備えたグループではあったが、近年さらに後輩グループが増えて立ち位置が変わっていく中でコロナ禍となり、苦難の中での配信ライブも乗り越え、より一層アーティストとしての確かな存在感や“貫禄”のようなものが感じられるようになった。
この「雨のち晴れ」のような10代〜20代へ向けたポップソングも、挑戦し続けてきた彼らが今歌うからこそ、これほどに力強く、説得力をもって響くのだ。「You & I」を通して彼らの魅力を知った人もそうでない人も、今後さらに注目していってほしい。GENERATIONSの音楽はきっとこれからもっと大きく、より広く響き渡る。
■日高 愛
1989年生まれの会社員。