2021.01.03 07:00

神宿一ノ瀬みかが語る、新成人迎えた心境と歌への強い思い「人間の本質的な部分をゆっくり磨いていきたい」

文・取材＝泉夏音、写真＝堀内彩香

私にとって、歌は人生そのものなんです

　一ノ瀬の2020年のトピックのひとつとして、『関ジャム完全燃SHOW』の「令和のアイドル界で厳選！スゴいボーカリスト10人」に選ばれたことが挙げられる。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自粛期間以降、ライブ活動などが制限される中で、一ノ瀬は洋楽のカバー動画を定期的にアップ。それが巡り巡って、今回の選出に繋がった。

「本当に何も知らされていなくて、急に『関ジャム』に取り上げられることを聞いたんです。なので素直に嬉しかった、というのが正直な気持ちです。カバー動画自体は、自粛期間にファンの方々に喜んでもらいたい一心でアップしていたんです。それがこういう形に繋がったことはすごく嬉しいですし、ファンの方々への感謝の気持ちを忘れずにいきたいと改めて思いました。きっと、よりたくさんの方々に知っていただくことはファンの方々への恩返しにもなると思うので、みなさんに誇りに思っていただけるようなアイドルになれるよう頑張っていきたいです」

　実際にカバー動画を見ると、歌唱力はもちろん、英語の発音など、細かいディテールにまでこだわりが感じられる。

「正直、英語の先生に習って勉強もしているんですけど、発音には自信がなかったので、ホッとしています。英語の発声は、日本語とは母音や子音の伸ばし方ひとつとっても違うのですが、私としてはすごく歌いやすいんです。それはきっと、小さい頃から歌うのが好きで、ずっと洋楽を口ずさんできたことで体に馴染んでいたのが大きかったと思います。

　私が歌を歌う時に重要だと思うことは、歌詞の意味や楽曲そのものの価値を知ることなんです。歌う前にその楽曲にまつわるインタビューを読んで、裏テーマやシチュエーションを知り、それをイメージしていくことから始めます。特に「Watermelon Sugar」（ハリー・スタイルズのカバー）は、色んなバックストーリーが隠されているので、これまで以上に歌の意味を汲み取りながらレコーディングした記憶があります」

　ボーカル力において高い注目を集めた一ノ瀬だが、歌に関しての取り組み方も独自の感覚を持っている。

「私にとって、歌は人生そのものなんです。だから、意識的に『頑張ろう』とは思っていなくて。それはサボったり、適当にやろうということではなく、純粋に好きな気持ちが強いというか。もともと歌うこと自体が気持ち良いし、ファンの方々が感動してくれていることを感じることが好きなので、そのための練習に対して『頑張ってやる』という意識はないんです」

　最後に、一人のアイドル／ボーカリストとしての今後について聞いた。

「たとえアイドルという職業が無くなってしまっても、私は歌を一生歌い続けるし、ずっと一緒にあると思います。やっぱり言葉にできない気持ちもたくさんあると思っていて、だからこそ、私は歌を通して様々な気持ちを届けていきたい。2021年はもっと歌の表現を広げていって、自分自身が共感したことや経験したことを、神宿メンバーとしても、個人としての活動でも、たくさん伝えていきたいです」

　2020年に楽曲やグループのビジュアルイメージを一新し、徐々に個々が輝く場も増えつつある神宿。そんなグループの勢いに乗って、一ノ瀬みかがどんな活躍を見せていくのか。2021年は、20歳を迎えた彼女にとって躍進の年になりそうだ。