石崎ひゅーい、新曲「Flowers」&菅田将暉への提供曲「虹」から感じる生々しい情感 愛と信頼によって仲間を増やす“人間力”

「基本的に、石崎ひゅーい好きに悪い人はいないので」

 以前、菅田将暉にインタビューしたときに、彼がそんなことを言っていたのをよく覚えている。あいみょんと初めて出会って意気投合したきっかけが、「俺の方が好き」「私の方が好き」と主張しあって討論になるくらい石崎ひゅーいに惚れ込んでいるという共通点があったことだという。とても素敵なエピソードだと思う。

 そして、これまで様々な作品を共にしてきた映画監督の松居大悟、共演やコラボも多いクリープハイプの尾崎世界観や小山田壮平など親交の深いクリエイターやアーティストのパーソナリティを並べていくと、菅田将暉の言った「石崎ひゅーい好きに悪い人はいない」という意味、ジャンルやスタイルという表層的な部分ではないところでそれらの面々と通じ合っている石崎ひゅーいの音楽の持つ魅力が浮かび上がってくるように思う。

 それは、歌っていることに嘘がない、ということ。着飾ったり、とりつくろったりしない、生々しい人間性そのものが歌声の響きから放たれる。だからサウンドの幅は広くとも、その核の部分には切実な情感が宿る。

 そしてもう一つは、だからこそ、ドラマや映画の物語と深い部分で噛み合い相乗効果の“熱”を生み出す、ということ。フィクションであっても、そこを通して作家や脚本家や映画監督が描き出そうとした人間のやるせなさや愛しさや無様さや、さまざまな感情とシンクロする。なんなら、石崎ひゅーいの佇まい自体にそういう風情も醸し出されている。

 2012年7月にミニアルバム『第三惑星交響曲』でメジャーデビューを果たしてから8年。シンガーソングライターとして着実にキャリアを重ねつつ、作曲家として、俳優としても結果を残してきた。バイオグラフィだけ見れば「マルチに活躍」と言っていい経歴なのだけれど、器用な才覚という感じはあまりしない。むしろ、そうやって愛と信頼によって周囲に仲間が増えていった石崎ひゅーいの“人間力”のようなものを、改めて感じる。