sumika Online Live『Little Crown 2020』

sumikaが初のオンラインライブで示した2つの“諦めない心” 剥き出しのサウンドを全方位に届けた『Little Crown 2020』レポート

 振り返れば、この日のライブには、2つの“諦めない心”が表れていた。1つは、たとえ観客を会場に入れた状態でのライブができなくても、“ライブをする”という行為自体は諦めないということ。本編ラスト1曲を残したところで、「楽しいなあ。最高だ。思い残すことがなさすぎるんだけど」(片岡)、「贅沢な一日だ……」(黒田)、「もう、今夜はどうにかなっちゃいそう!」(荒井)、「(頷きながら)なっていい、なっていい!」(小川)と笑い合う4人。バンドは生きているのだと、画面の向こうにいるあなたへしっかり届けること。そのうえで、チーム内でバチバチとアイデアを交換し、(従来のライブの下位互換ではなく)新しい形のライブとして一から作り込むこと。オンラインライブという形式においてsumikaが現在思い描いていたことは、今回余すことなく体現できたのではないだろうか。4人の充実した表情にも納得できるレベルで、全方位的に、クオリティの高いオンラインライブだった。

 そしてもう1つは、たとえ今は叶わなくても、もう一度目と目を合わせられるようになる日々を、決して諦めないのだということ。「雨が降っても、槍が降っても、俺たちは続けていくからさ! 絶対に、必ず! もう1回会おうね」(片岡)と告げた直後の「雨天決行」、剥き出しのサウンドとともに〈やめない やめないんだよまだ〉と繰り返すこの曲に、このバンドの挫けない心、いい意味での諦めの悪さを思い出させられた。2番Bメロ、そのまま走っても十分ゴールテープを切れるだろうに、バンドはもう一段階勢いを増す。その音は、彼らが画面から飛び出したいと叫んでいるようにも聞こえた。

 これまでもこれからも、彼らはライブという場所を、嘘なく感情を交わし合える場所として求め続けているのだろう。これまでとは違った形式ながらも、バンドが変わらず大切にしていることが伝わってきたライブだった。

■蜂須賀ちなみ
1992年生まれ。横浜市出身。学生時代に「音楽と人」へ寄稿したことをきっかけに、フリーランスのライターとして活動を開始。「リアルサウンド」「ROCKIN’ON JAPAN」「Skream!」「SPICE」などで執筆中。

■アーカイブ配信情報
sumika Online Live『Little Crown 2020』
本公演の視聴チケットは9月27日(日)12:00(正午)まで購入可能
公演終了後、9月27日(日)23:59まで見逃し配信期間として視聴可能
※見逃し配信公開まではしばらく時間を要する場合あり。
詳細はこちら

■アフタートーク情報
『Little Crown 2020』AfterTalk
配信日:2020年9月26日(土)
時間:18時からsumika Official YouTube Channelより配信
9月25日開催の『Little Crown 2020』をメンバー4人で振り返る。
視聴はこちら
※上記は変更になる場合あり

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