DIR EN GREYやMUCCによる生配信からlynch.葉月、Angelo キリトのゲーム実況まで……V系アーティストの動画コンテンツ
新型コロナウイルス感染拡大の影響で思うように営業ができないライブハウス。ライブハウスが営業自粛に追いやられていくことで活動の場を制限されてしまうのは無論、バンドをはじめとするアーティストである。決定していたライブの中止や延期が続々と発表され、アーティスト、ファン共に悲痛な叫びをSNS上に吐露してきた。そんな中、「黙ってやられっぱなしは性に合わん!」と言わんばかりに、多くのV系アーティストが動画コンテンツの発表に乗り出した。昨今の情勢が生み出した様々な動画を一部紹介していきたい。
ライブにフォーカスした動画コンテンツを展開するバンドは多い。RAZORが5月21日に行ったのは無観客ライブ『7th ONEMAN TOUR 掟破り LIVE STREAM「狼煙」』の生配信だった。YouTubeのSuper Chat機能を用いた配信であったため、動画を見ている最中も激しいメンバーコールや投げ銭が飛び交い、とても臨場感を感じられた。また、NIKKY(Dr)はこの日がRAZOR加入後初めてのライブだった。なんともイレギュラーな幕開けとなった新体制のRAZORだったが、動じることなく画面越しのファンに向かって最高のステージを叩きつけた。
画面の向こう側へ呼びかけ続けたRAZORとは対極的に、無観客ライブの配信中に「ラスト!」以外の言葉を発しなかったのはDIR EN GREYだ。彼らは通常のライブでも観客席を睨みつけ、まるで貫録を見せつける獣のようなステージングが印象的だが、無観客という状況下でも、彼らは見えない敵と対峙するかのようだった。その場にいるかどうかなど関係ない。離れていても俺達とお前達の勝負であることに変わりはない。そんな言葉が聞こえてきそうなほど、迫力に満ちた狂気のステージに圧倒されたファンも多いのではないだろうか。
ライブハウスからの配信ライブとはまた違ったアプローチをしたのはMUCCだ。『Remote Super Live ~Fight against COVID-19~』と銘打たれた企画は、メンバーが各々自宅などからリモート演奏をしてライブを行なうというものだった。正直ライブ映像の生配信などは音や映像が悪く見づらいものも多かったが、この動画はとにかく音が良くて本当に驚いた。どのような方法で収録したのかはわからないが、日頃から新しい機材などの研究も絶やさない匠集団は、今回のような不測の事態でも最高級のサウンドを届けてくれた。
また、MAVERICK DC GROUPはMUCCの逹瑯(Vo)をオーガナイザーとした『Trigger In The Box』 2019年の模様をニコニコ動画とYouTubeの2つのプラットフォームを用いて放送し、「エアフェス」を2日かけて開催。「今向こうのステージはこんな感じ」などオンタイムで報告が流れ、「どっちを観ようか迷う」、「すごく忙しい!」などのコメントで動画はとても賑わった。
そして、注目したいのは本業の音楽とは一味違う内容の動画を上げているバンドマンだ。ライブハウス支援企画「OVERCOME THE VIRUS」も耳に新しいlynch.の葉月(Vo)はゲーム実況動画をInstagramにアップしている。普段の話し声が“イケボ”と言われる葉月がずっと喋っている、というだけでかなりの需要があるが、ゲームをプレイしながら話しているので、焦ったりしている声も新鮮でファンにとっては嬉しい内容となっている。
View this post on Instagramテロップもほぼなければカットも入れません。 ゆる〜くやっていきます。 #あつ森 #ゲーム実況
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自粛期間にゲームをプレイするバンドマンは多いようで、MUCCの逹瑯はINITIAL'Lの一朗(Dr)、DEZERTのSORA(Dr)、俳優のやべきょうすけなどと『モンスターハンターワールド:アイスボーン』をプレイしているとのこと。神木隆之介との共闘もあったようで、皆あまりにトークが面白いことから配信をしようかと考えているようである。
Angeloのキリト(Vo)はゲーム配信やトーク動画をYouTubeにアップしている。シンプルだがどこかドキッとするようなサムネは、つい動画を開きたくなってしまう。動画内ではステージで歌っている様子とは一変、緩い空気感のトークが癖になる。食レポ的な動画もあり、激辛焼きそばを食した際にはファンから心配の声が多く届いたという。
己龍やRoyzが所属するB.P.RECORDSはコロナウイルスの影響が出始めるよりずっと前からYouTubeでの活動を精力的に行っている。モニタリングやドッキリなどYouTuber的な動画企画もあれば、メンバーの整形手術に密着するような動画もあり、ステージ上では見ることのできないV系バンドマンの一面を垣間見ることができる。