マルチアーティスト XY GENE、マイケル・ジャクソンに憧れた少年が“歌とダンスの融合”を目指すまで
パフォーマンスで振り切れたら、もっと強みを出せる
ーー今回のデビューアルバム『Daydreaming』は、いつ頃制作したんですか?
XY GENE:去年(2019年)の夏から秋くらいに作りました。もともとストックしていた曲に、作品としての幅を持たせるために新曲を足していきました。
ーーどのような作品をつくりたいと考えていましたか?
XY GENE:あまりジャンルに縛られず、やりたいことをやれたらいいなと思っていました。自分の周りにはヒップホップのアーティストが多くて、音源の方向性も迷っていた時期なんですけど、あまりヒップホップに縛られ過ぎず、自分が踊って気持ちいいっていうところを大事にして仕上げました。
ーーリード曲の「DIVE」はどのようなイメージで作ったんですか?
XY GENE:これはJaffくんからもらったトラックにインスピレーションを受けて書きました。この「DIVE」がベースになって今回のアルバムができていったところもあって。アルバム制作というこれまでやったことのないことに挑戦する状況だったからモチベーションが高かったし、自分の中に渦巻く感情を表現する曲も作ったことがなくて。それもひっくるめて挑戦だったので、新しいことに飛び込むぞ! ということで「DIVE」にしました。
ーーDance Practice Videoを公開している「Friday night」はシティポップ〜ブギー調の軽やかなナンバーですね。
XY GENE:ブルーノ・マーズもすごく好きで。彼らの音楽性にある80’sファンクみたいなことをやってみたいなと思って作りました。もともと聞いていた音楽がこういう感じだから、わりと作りやすかったですね。
ーーMVが公開されている「Can’t take back (feat. Lazzy, Kohjiya)」については?
XY GENE:最近のアーティストだと、ケラーニとかトリー・レーンズとかブライソン・ティラーとか、R&Bだけどキックが強くて、ドラムのパターンがシンプルだけど面白いみたいな曲を結構聞くので、そういうビートも1曲やってみたいと思って作りました。
ーーアルバム後半になると、ギターのリフを主体にした曲や、割れたピアノ音が印象的な曲が出てくるなど雰囲気が変わりますね。
XY GENE:アルバム前半は明るめというか、色で言うとオレンジとか赤みたいなイメージなんです。「Road to U (feat. (sic)boy)」から最後までの3曲は紫とか黒みたいな色をイメージして、曲調としてもちょっと暗めなものを作りました。あと、「Road to U」からは、タイトルに「U」と入ってるように、誰かとか何かに向かって歌っています。
ーー「Road to U」のUは何を指しているんですか?
XY GENE:悪夢の中に落ちゃってる自分というか。歌詞でも〈nightmare〉と言ってるんですけど、悪夢のような世界と現実の自分との距離感がテーマ。〈暗く深く静まるRoad to U〉の部分のように静けさの中にある緊張感を表現したかったというか。
ーー「Don’t leave me away (feat. monvmi)」は、女性シンガーとのデュエットで男女のすれ違いがテーマ。続くラスト曲「What should I Say」もラブソングですね。
XY GENE:そうです。相手に別れを告げる歌なんですけど、相手からの返答のシーンはなくて。自分が別れを告げるか、告げないかで悩んでいる様子を描きました。「What should I Say」でこだわったのは、フックはオートチューンを使わずに歌っているところ。最近オートチューンはメチャクチャ使われてますけど、オートチューンと地声を使い分けて、揺れ動く自分の気持ちを表現したかった。で、曲の最後では電話声のエフェクトを使っていて、結局は電話で別れを伝えたっていうストーリーにしました。
ーー今回のアルバムは、フィーチャリングゲストのほとんどが10代というのも印象的でした。
XY GENE:(sic)boyとmonvmiちゃん以外は全員10代ですね。友達としてもアーティストとしてもリスペクトしている人たちと作りたかったんです。自分は音楽を人と作ることが好きで。誰かとやることで生まれる化学反応が楽しみだし、バチッと合わさったときの気持ち良さがあるからコラボが好きですね。
ーーこうしてデビュー作品をリリースしてみて、今、どんな気持ちですか?
XY GENE:今聴き直すと、もっとイケたなという気持ちもありますけど、アルバムって、そのときの自分の記録という側面もあるじゃないですか。毎回そういう気持ちになれたら、逆にそれは自分が進化していることだと思うし、これはこれでそのときのベストだったので。これからもそのときのベストをどんどん曲にして、毎回自分のベストを越えていけたらなって思います。
ーー今回の作品は客演が多いし、短い曲も多いので、1stアルバムとは言え、序章というかイントロダクションのような印象を受けるんです。まだ手の内を明かしてないというか。
XY GENE:そういうところはありますね。これは本当、友達とセッションして楽しくいろんな曲を作りましたっていう感じ。やりたいことをとりあえず詰め込んでみようみたいなパッションで作ったので。逆に次の作品はほとんどソロの曲にしようと思っているし、今回はいろんなストーリーをガサッとまとめた感じですけど、次の作品は1個のテーマに沿ったものにしようとも思っています。
ーー歌、ラップ、トラックメイク、さらにMVでは自身でダンスの振付もしていますが、自分の強みだと思っているモノはなんですか?
XY GENE:やっぱりダンスができることですね。将来はステージの演出から自分でやりたいんです。ダンサーを交えたステージをもっとやりたくて。パフォーマンスで振り切れたら、もっと強みを出せると思ってます。
ーーダンスや振付で大事にしているものは?
XY GENE:グルーヴ感ですね。スムーズな、流れるような動きをめっちゃ大事にしています。振付をつくるときも、ストレスなく踊れるけど、上手く見えるような動きを採り入れています。
ーーダンスのジャンルで言うと、何がいちばん得意なんですか?
XY GENE:最近のダンスはいろんなジャンルがミックスされていて。大きく言うと「R&B」というジャンルになるのかな。ヒップホップの要素もありつつ、ジャズの滑らかな動きもありつつ、ポップもちょっと入ったりしていて。それが「R&B」と言われてるんです。わかりやすく言うと、三浦大知さんの踊りは結構R&Bなんですよね。ヒップホップみたいにバウンスがあって、音にマッチさせていくというより、手のパッという動きだけで見せたりする。それがR&Bの特徴です。
ーー最後に、今後の目標を教えてください。
XY GENE:まずは自分のダンスと歌をもっとマッチさせて、さっき話したようにステージの作り方から変えていきたいです。ダンスと歌の融合は絶対だし、そのクオリティを限界なく上げていきたいです。
ーーやっぱり究極の理想像はマイケル・ジャクソン?
XY GENE:マイケル・ジャクソンはすべての自分の考え方の中心にあるので、マイケルなしでは語れないみたいなところはありますね。でも、マイケル・ジャクソンになりたいわけではない。もしマイケル・ジャクソンが生きていたら認めてもらえる、それくらいのアーティストになりたいですね。
■プロフィール
XY GENE(エックスワイ ジーン)
2001年、横浜生まれ。幼少期にマイケルジャクソンのスリラーに衝撃を受け、7歳にして、DVDを見て独学でダンスを完コピする。さらにマドンナとマイケルが奪い合った伝説のダンサー、ケント・モリにその才能を評価され、マイケルジャクソン追悼公演など多くのショーケースに出演。12歳にから韓国大手事務所にて、武者修行を行い帰国。ダンス以外にもトラックメイクにも目覚め、自分が歌いパフォーマンスする事を理想とし、アーティストとして日々成長中。
2020年2月、1st Album『Daydreaming』をリリース。デビュー作ながらApple Music R&B/ソウルチャート8位を記録するなど、今後が期待されるアーティストである。
XY GENE
Born in 2001, Yokohama city. As a child he was amazed my Michael Jackson's "Thriller", by 7 years old he was able to perfectly mimic every move just by watching a performance DVD on his own. In addition, he was recognized by Kento Mori, a legend dancer who was once fought over by Madonna and Michael Jackson, and XY GENE performed at many show cases including a memorial production for Michael Jackson. He also entered a famous Korean agency when he was 12 where he when through intense training. After he came back to Japan, aside from dancing he started gaining interest in track making, rapping, and singing and chased the dream of performing and is now growing as an artist everyday.
Released his 1st album “Daydreaming” in February, 2020. Although it was his debut album he successfully ranked in number 8 on the Apple Music R&B/soul chart showing he is an artist that is expected to grow in the future.
■リリース情報
『Daydreaming』
2月28日(金)
<Tracklist>
01.Intro
02.Friday night
03.Lazy (feat.YOSHIKI EZAKI)
04.Can’t take back (feat. Lazzy , Kohjiya)
05.DIVE
06.Rampage horse (feat. HEZRON , Only U)
07.Road to U (feat.(sic)boy)
08.Don’t leave me away (feat.monvmi)
09.What should I say
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問い合せ:Trigger Records
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