Lefty Hand Creamは、素顔を明かすこともなく、その“歌声のみ”で多くのファンを獲得してきた実力者だ。2017年には、J−ROCKの男性ボーカルに特化した初のカバーアルバム『Lefty Hand Covers』をリリースすると、オリコンデイリーランキング8位を獲得。アコースティックやボサノバ風と、いずれの収録曲も彼女の声色を中心にしたアレンジが施されており、少しあどけなさを残すガーリーな歌声を存分に堪能することができる。

　動画にも「落ち着く歌声」「寝る前に聴きたくなる」とコメントが寄せられるように、リスナーが惹き付けられる理由のひとつとして、彼女の声が持つ“癒し”や“心地よさ”があげられるだろう。例えば2016年3月に投稿されたONE OK ROCKの「Wherever you are」のカバーでは、彼女の落ち着きのある歌声とアレンジが、原曲とは異なる魅力を持ったラブソングへと昇華させている。また、2017年6月に投稿されたaikoの「カブトムシ」のカバーでは、地声とヘッドボイスの切り替えが巧みで安定感があり、リスナーがずっと聴き続けていたくなるのも頷ける。

　カバー動画をきっかけに、2017年にLefty Hand Creamは『東京海上日動あんしん生命「あるく保険」』WebCMで歌唱とナレーションを担当。後にそれがテレビCMとしても流れ、インターネットの外に彼女の歌声が届けられた。フェミニンな歌声の持ち主でありながらも、アッパーな曲からバラードチューンまで柔軟に歌い分けできるLefty Hand Cream。直近の活動として12月7日にYouTube生放送を予定しているが、同日放送のドラマ主題歌オンエアを受けて、さらにその名を広げることになるだろう。

■小町 碧音
1991年生まれ。歌い手、邦楽ロックを得意とする音楽メインのフリーライター。高校生の頃から気になったアーティストのライブにはよく足を運んでます。『Real Sound』『BASS ON TOP』『UtaTen』などに寄稿。
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