kolme KOUMI×Da-iCE 工藤大輝が語り合う、ダンス&楽曲制作のプロセスとセルフプロデュースの重要性

ゲームから新しいボキャブラリーを仕入れることが多い

ーーニューアルバムの話題が出たので、コライト曲「Repeat」の制作の裏側についても聞きたいところです。

KOUMI:すごいスピードで作ってくださったんですよ。

工藤:トラックをいただいた時点でこうしたいという具体的なイメージが湧いたんですよね。今回、まずkolmeのこれまでの楽曲たちを、特に歌詞に注目して「どういう傾向があるんだろう?」と聴いてみたんです。最初は「恋愛をテーマにした曲がいいのかな?」と思って書き始めたんですけど、前にラジオに出ていただいたときに、MIMORIさんが「恋愛とかよくわからない」って言っていた記憶があって……。

KOUMI:MIMORIちゃんはいまだにそうですね。

工藤:それだと恋愛をテーマにするのは、リアリティがないかもなと。みなさんで楽曲を作ったりされているから、そういう3人の日常を反映するような感じの歌詞にシフトしていきました。

KOUMI:kolmeには今までなかった視点の歌詞だったので、すごく新鮮でした。深読みしないとわからないような言葉のチョイスが面白いと思って。たとえば〈いつだって前触れのない感傷に浸り/過去と未来とで今をブレンドしている〉とかは、私たち3人からは出てこない単語の組み合わせ方だと思いますし。

工藤:たとえば海外のR&Bの楽曲とかだと恋愛ソングやライフソングみたいなストレートな歌詞が多くて、それはそれで好きなんですけど。日本語の歌詞は比喩のパターンが豊富で、深読みできるのが楽しかったりする。なのであえて日本語をそういう風に組み合わせて、すんなり聴けるんだけど「この歌詞、何のことをいってるんだろう?」って思わせるほうが、繰り返し聴いてもらえるんじゃないかなって。僕自身もそういう歌詞の曲をよく聴くし、「書いてる人はきっとこういうこと考えてるんだろうな」って考えながら聴くのが好きだから。

KOUMI:歌詞のインスピレーションは何から受けることが多いんですか? 小説読んだり、映画見たりとか?

工藤:小説はほとんど読まないです。僕はゲームで育ったんで、ゲームから新しいボキャブラリーを仕入れることが多いですね。難しい漢字を使う言葉とか、だいたいRPGで覚えたと思います。映画はたまに見ますけど、アニメのほうが見ている時間が長いかな。

KOUMI:工藤さんはうちのMIMORIさんとちょっと似てるんですよ。前に番組に出させていただいたときも、2人が意気投合してて、リーダーと私はちょっと理解できなくて(笑)。

工藤:マニアック志向なんですかね。でもMIMORIさんのそういうところがkolmeさんの作品に活きてるのかなって思うんですけど。

ーー「Repeat」の振付はもう固まったんですか?

KOUMI:アルバムの曲はまだ振り付けがスタートしたばかりでまだなんですよ。ただ、これまでの私たちにはないタイプの素敵な曲に仕上がったので、その魅力を活かせるように振付も新しい方にお願いしようと思っています。

工藤:楽しみです! ダンスで音取りしやすいように作ってあるので。音ハメしやすいほうがよくないですか?

KOUMI:ありがたいです。年末からのツアーで披露したいので、そこに向けて怒涛の振り付け作業中です。

工藤のダンスは「ずっと見ていたくなるパフォーマンス」

ーーここから少し話の切り口を変えて、お二人のダンスとの出会いを聞きたいです。

工藤:ダンス始めたの、いつぐらいですか?

KOUMI:仙台の事務所に入ったときなので、小学校5年生ぐらいです。

工藤:早ぇーーーー!

KOUMI:最初はモデルさんになりたかったので、ダンスにはあまり馴染みがなかったんですよ。当時はレッスンっぽいレッスンも受けていなかったので、本格的にダンスをやり始めたのはkolmeを始めた5年前からですね。今の振付をお願いしている方に本当に基礎から教えてもらって。

ーー始めた当時、憧れたアーティストやダンサーといえば?

KOUMI:(菅原)小春さんのダンスは、よくYouTubeで見てました。当時、まるで見たことのないジャンルのダンスでしたし、「こんなに女性らしいダンスがあるんだ!」と衝撃を受けましたね。工藤さんは?

工藤:僕は高1の後半くらいに札幌のアクターズスクールに入ったので、背中を追いかけていた存在といえばDA PUMPさんやw-inds.さん。当時はロッキン(ロックダンス)が主流でした。『少年チャンプル』(注:2004~2005年に放送されていたダンスバラエティ番組)の全盛期でもあったので、よく見ていましたね。北海道だから、情報源がそのくらいしかなくて。番組初期の常連グループで7DOWN8UPPERの元メンバーの方に僕らのツアーの振付をお願いしたりしているので、すごく縁も感じます。上京してからはクラブダンサー、ストリート系の雑誌に載っているようないかついヒップホップダンサーの方々に注目したり、そのあとにシッキンとかLAスタイルのダンサーの方々に注目したり、いろいろ変容していますけど。

KOUMI:先日のライブでダンスを拝見していて、釘付けになるというかずっと見ていたくなるパフォーマンスをするなと思っていたんですよ。

工藤:ホントですか? “顔サー”(注:表情豊かに踊るダンサー)だから?

KOUMI:いえいえ、スクリーンじゃなくてステージを観ていて鮮やかな動きにぐっときたというか。

工藤:ダンス続けてきてよかったな……。

ーーでは、今現在注目しているダンサーや振付師というと?

KOUMI:直接的にkolmeの振付をお願いできるとかではないですけど、好きでよく見ているのはジャバウォーキーズとか。自分がそういうダンスをやりたいかって言われると難しいんですけど、ダンスを含めたトータル的な見せ方が上手なチームだと思って。

JABBAWOCKEEZ - i'm so tired... by Lauv & Troye Sivan

工藤:マジですか、意外! 僕はどちらかというと「今誰に注目しているからそういうパフォーマンスをしたい」ではなくて「今作っている曲に一番合うのは誰か?」という視点でしか見てないところがあって。振付をすごい若手の方に頼んだかと思えばあえて大御所の方に頼んでみたりもしますし、いろいろ冒険してますね。だから一概には言えないですけど、いろんなダンサーや振付師の方々を常にウォッチしてます。今はInstagramのおかげで国内外のいろんな情報がチェックできますし。

KOUMI:スタジオのレッスン生でもめちゃめちゃ上手な方とかいますよね? 動画を見て刺激を受けることも多いです。

工藤:韓国のダンサーさんには僕らも注目してますね。日本で活躍しているアーティストとコラボしているスタジオもあるので、たとえば人気グループの振付を手掛けている方を調べて、かぶらないように違うダンサーさんにお願いしたり。

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