尾崎由香の歌声の魅力は可愛いだけではない　最新作と初ワンマンで表現したシンガーとしての多彩さ

　アンコールでは、尾崎の名前が広く知られるきっかけになった、アニメ『けものフレンズ』のオープニングテーマ「ようこそジャパリパークへ」をファンへプレゼント。大興奮の観客と一緒に〈うー！がぉー！〉と雄叫びをあげ、〈ワン・ツー・スリー〉とかけ声を合わせる。本来はどうぶつビスケッツ×PPPの8人で歌う曲だけに、歌い終えると息を切らせていたが、「大変だったけど、楽しかった！」と、満面の笑顔を見せていた。

　これまで、どうぶつビスケッツなどグループでのライブ経験はあったが、ソロでのライブはこの日が初めて。「MCも歌うのもダンスも一人で、大丈夫かな？」と、不安もあったとのこと。「でも、スタッフの方がいてみんながいて、みんなと一緒に楽しんでいるこの感覚は、ハマりそうだと思いました」と、1stソロライブの感想を述べた尾崎。ラストにはアッパーのクールなロックチューン「(you gave me…) My Brave Story」を熱唱した。〈きっとここから始まり重ねて〉〈僕はまだ進むんだ　君の言葉に導かれて〉という歌詞が印象的。尾崎が歌声をパワフルに響かせると、それを導くように赤いペンライトの光が灯り、会場からは大きな歓声とかけ声が沸きあがった。

　尾崎の周りには、いつも人が集まってくる。どこか放っておけない、人を惹きつける魅力が彼女にはある。この日のライブにも、たくさんの仲間たちがゲスト出演して、ライブの盛り上げに一役買った。アニメ『少年アシベ GO! GO! ゴマちゃん』第4期テーマソング「Smile! Smile! Smile!」を歌った際には、同アニメのキャラクター＝アシベとゴマちゃんが登場。終盤には、「LET'S GO JUMP☆」をプロデュースした後藤康二（ck510）が登場して、後藤のギターをバックに「LET'S GO JUMP☆」のアコースティックバージョンを聴かせてくれた。

　そしてライブの最後には、「ちょっと待った〜！」と、どうぶつビスケッツ×PPPのメンバー佐々木未来が、花束を持って登場。「びっくりした〜」と驚きながらも、「私は幸せ者だ。ありがとう」と感極まった様子だった尾崎。たくさんの仲間の愛といっぱいの思い出を胸に、「これからも楽しいよ！　ってことを、活動を通して伝えて行けたらうれしい」と語り、尾崎由香の1stソロライブは賑やかに幕を下ろした。

（写真＝国府田利光）

■榑林史章
「THE BEST☆HIT」の編集を経て音楽ライターに。オールジャンルに対応し、これまでにインタビューした本数は、延べ4,000本以上。日本工学院専門学校ミュージックカレッジで講師も務めている。

■リリース情報
『MIXED』
2019年8月7日（水）発売

初回限定盤（CD+ミニ写真集）
¥4,000（税別）

通常盤（CDのみ）
¥2,500（税別）
＜トラックリスト＞
1.ピュアで小悪魔  Produced by TOKOTOKO（西沢さんP）
2.LET'S GO JUMP☆  Produced by 後藤康二（ck510）
3.Smile! Smile! Smile!  Produced by 北川勝利 (ROUND TABLE)
4.恋のマメチシキ  Produced by 西寺郷太（NONA REEVES）
5.Wishing Love  Produced by TAKAROT／FUNK UCHINO
6.(you gave me…) My Brave Story  Produced by ミト（クラムボン）
7.僕のタイムマシン  Produced by 沖井礼二（TWEEDEES）
8.ice cream Produced by Ryota Nozaki（Jazztronik）
9.オトシモノ  Produced by 40mP
10.ハートビート・サイレン  Produced by buzzG
11.Dream On ～遠い日のあの空～  Produced by 後藤康二（ck510）

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