AKB48、NMB48、乃木坂46……“原点回帰”のアイドルなぜ増加? 各グループの共通点を考察

 AKB48グループを振り返れば、SKE48においても原点回帰を謳った時期はあった。SKE48は、2018年の10周年のタイミング。10月に愛・地球博記念公園にて開催された7期生とドラフト2期生のメンバーによる7D2のステージは、テーマは「原点回帰」と公式にアナウンスされている。7D2は、2015年にグループを卒業した松井玲奈と入れ替わるように加入してきた世代。すでにグループを卒業してはいるものの、7D2にあたる小畑優奈がセンターを務めた22ndシングル「無意識の色」は、歴代シングル曲のタイトルをデザインしたワッペンで装飾された真っ白な衣装という、これまでとこれからをイメージさせる作品であった。

 さらに言えば、HKT48が今年7月より開催中の『九州7県ツアー ~あの支配人からの、卒業。~』もテーマは「原点回帰」。AKB48と同様、指原の卒業を受けたものであり、初のライブツアーとなった2014年以来の地元・九州開催である。

 結成から数えると、AKB48が13年、SKE48が11年、NMB48が8年、乃木坂46が8年、HKT48が7年が経った。グループにとって、原点回帰とは何度も打ち出せるものでもない。変わらないために変わり続ける、とはよく言ったものだが、グループにとってエースの卒業はいつしか訪れるもの。年数を考慮すれば、NMB48、乃木坂46、HKT48の原点回帰の時期が重なったのは、ある種、周期的なデータとも捉えられる。

 9月13日には『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)にAKB48の出演が決定した。指原の卒業直前となった4月のオンエア以来、AKB48グループとしても約5カ月ぶりの出演だ。披露するのは「恋するフォーチュンクッキー」「サステナブル」の2曲。王道アイドルとしての新たなAKB48を打ち出す、原点回帰のチャンスになりそうだ。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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