アンジュルム 和田彩花は“アイドルの可能性”を広げてきた 卒業機にグループ牽引した活動を振り返る

 6月18日、日本武道館で行われるツアー最終公演にて、アンジュルムのリーダー兼ハロー!プロジェクト全体のリーダーを務めてきた和田彩花がグループを卒業する。和田彩花自身はこれからも歌って踊る一人のアイドルとして活動を続けていきたいと今後の展望を語っているが、ひとまずグループアイドルとしての活動には区切りをつけることになる。

アンジュルム『輪廻転生~ANGERME Past, Present & Future~』(通常盤)

 和田彩花は、2004年に行われた『ハロプロ エッグ オーディション2004』に合格し、ハロプロエッグ(現在でいうハロプロ研修生)のメンバーとしてハロー!プロジェクトに加入。エッグ内ユニットへの参加などの下積み時代を経て、2009年にスマイレージ(現在のアンジュルム)を結成、翌2010年にシングル『夢見る15歳』でメジャーデビューを果たした。スマイレージ/アンジュルムとして今年で10年、エッグ時代から数えると15年にもなるキャリアを重ねてきた彼女は、ハロー!プロジェクトの長い歴史の中でも指折りの功労者だと言っていい。

 「アイドルの解釈の幅を広げたい」。アンジュルム及びハロー!プロジェクト卒業後の展望について、彼女は事あるごとにそう答えている(参考:HOMINIS)。その言葉は“若さ”がアイドルであることの前提条件になりがちな日本の音楽シーンに対するアンチテーゼでもあり、自分らしくあることとアイドルでいることは両立できるはずだ、という強い意志の表れでもあるだろう。これまでの活動を振り返ってみても、彼女は既存のアイドル像に収まることのない自分らしさを表現しながら、アンジュルムを「アイドル界最強」とも噂されるほどのグループへと引っ張り上げてきた。

 もともと、結成当初のスマイレージは若さとキュートさを前面に打ち出した、ハロー!プロジェクト屈指のアイドルらしいアイドルグループだった。和田彩花も当時は天然な発言や行動が目立つ、気まぐれな美少女といった印象が強かった。ミニスカートをキービジュアルにして、シングル曲「ショートカット」の発売に合わせてメンバー全員髪型をショートカットにさせられるなど、メンバーに負荷をかけることで物語性を作り出すような演出も度々行われていた。良い面も悪い面も含めて、スマイレージは“ザ・アイドル”だったと言えるだろう。

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