TWICE、Red Velvetらもカバー 「Baby Shark(サメの家族)」世界的ヒットの背景

 2019年1月12日付の「Billboard Hot 100」チャートに、ある韓国の楽曲が32位にランクインして一部で話題になった。「Baby Shark(原題:상어가족=サメの家族)」だ。教育アプリなどを制作する韓国の企業・スマートスタディの幼児向けコンテンツ「ピンクフォン」の動画の1つとして、YouTubeにアップロードされた楽曲である(ピンクフォンは昨年11月「ピンキッツ」というブランド名で日本にも進出した)。

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『Pinkfong Presents: The Best Of Baby Shark』

 韓国では2016年1月にYouTubeで動画公開されて以降、可愛い歌声と中毒性のある繰り返しのメロディ、子供向けにも関わらず無慈悲な歌詞で大人の間でも爆発的な人気を記録し、2016年の「韓国内で最も視聴されたYouTube動画」となった。2017年の大統領選挙の際は、それぞれの候補を歌の中のサメに例えた替え歌動画も登場。済州(チェジュ)航空ではピンクフォンと提携して「サメ家族」の航空機が運行した。この流行にのって、Red Velvet、TWICE、BLACKPINK、GOT7など多くの人気K-POPアイドルがコンサートやバラエティ、ライブ動画などでこぞってカバー。韓国でもバイラルヒットになった曲ではあるが、その後海外まで飛び火したのはやはり多くのK-POPアイドルがカバーしたことがきっかけの一つであるようだ。日本でも2018年の初頭にTikTokで動画コンテストが開催され、インドネシアでは「#BabySharkChallenge」というハッシュタグが生まれた。そういった「ダンスチャレンジ」もインターネット上での世界的流行を広げた要因のひとつとなった。

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 本格的に欧米圏にまで流行が拡大したのは2018年の8月頃。英国ではビルボードより先にUKチャートの32位にランクインしており、人気オーディション番組『X-Factor』の決勝戦でもサメダンスが披露された。ピンクフォンは国内でのヒットの後、10カ国語以上のバージョンをリリースしており、オリジナルの韓国語バージョンの動画再生数が7千万回台であるのに対し、英語バージョンのダンス動画の再生数は22億回。韓国からリリースした楽曲としては「江南(カンナム)スタイル」の32億回に次ぐヒットだ。年末に発表された『Youtube Rewind 2018』にランクインした影響もあってか、2019年1月現在で同ダンス動画の視聴割合が最も高い国はアメリカとなっている。結果的に同曲がYouTubeでの照会数も反映されるビルボードにランクインしたのは、2019年1月に入ってからのことだった。アメリカでは『エレンの部屋』『ザ・レイト・レイトショー with ジェームズ・コーデン』などの人気トーク番組でも扱われた。

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