EXILE ATSUSHIや久保田利伸らも賞賛 米倉利紀、日本のR&Bシーンを切り開いた心に響く歌声

 オートチューンによりどんな声も生みだせる時代だからこそ、R&Bのボーカリストとしての肉声の可能性のすべてがここにはある。そう言い切ってしまいたいほど豊かなボーカルスタイルを聴かせるのが、米倉利紀のニューアルバム『analog』だ。あまりにも多彩な肉声による表現を聴き終えた後には、昂揚感すら残る。

米倉利紀「analog」ダイジェスト試聴

 たとえば「幻」や「ぬくもり、やさしさ」では自身でコーラスを重ねたボーカルワークを聴くことができるし、「幻」や「ボクノキミ、キミノボク」では歌詞を絶妙の譜割りで歌ってタメを生みだす技術も堪能できる。「そっと、ずっと」や「大切な日々」で聴くことができるのは繊細な歌い回し。「ココロ」では高音の魅力を味わうことができるし、一方で「NOTHING LEFT」や「GOODBYE, MY LOVE」では低音を歌う瞬間にも心地良いスリルがある。

 ミディアムナンバーだけではなく、ディスコナンバーの「SOCIAL NETWORK SERVICE」や、ソウルナンバーの「キーホルダー」や「SHINE and BRIGHT」も。「君は僕の大切」は軽やかにしてグルーヴィーで、米倉利紀のボーカルのしなやかさが最大限に発揮されている。

 米倉利紀は『analog』のリリースに寄せて「時代がデジタル化されればされるほど、人間の心はどんどんアナログ化していくような気がした」と語っている。そんな感覚を肉声で表現した『analog』は、究極のアナログ作品だとも言える。最小限の音しかないサウンドも、そんな歌声を引き立てている。

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