菅田将暉の魅力は“変化すること”にある 石崎ひゅーいとあいみょん迎えた『ANN』の歌声を聞いて

 『菅田将暉のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)が、12月10日に生放送。特別ゲストとして、石崎ひゅーいとあいみょんが迎えられた。

菅田将暉『さよならエレジー』

 番組内では、かねてより親交のある3人がフリートークを展開。オンエアを通じて特に印象的だったのが、彼らが深夜の公園でセッションをした際のエピソードだ。彼らは今夏、公園にあったごく普通な切り株を電飾で飾り付け、朝が訪れるまで歌い明かしていたとのこと。まるで映画のワンシーンにありそうな出来事だが、その模様を語る様子も非常に楽しげで、思わず笑顔にさせられてしまう。約1時間のラジオを通じて、彼らが音楽を通じて良好な関係性にあることを確かめることができた。

 番組中盤には、スタジオでの生カバーライブも披露した。この日は、あいみょん「ふたりの世界」、YUI「CHE.R.RY」、そしてクリスマスを前に「あわてんぼうのサンタクロース」を歌唱。ラジオを通して感じられた居心地の良さは、先述の切り株を囲んだ一夜を再現するかのようだった。なかでも「ふたりの世界」では、菅田が石崎とともにメインボーカルを担当。〈いってきますのキス おかえりなさいのハグ〉から始まる冒頭の歌詞を、優しく語るように発する菅田の様子には、原曲とはまた異なる繊細さを覚えた。

 彼の歌声は、石崎やあいみょんに比べると良い意味で“荒削り”な部分がある。その一方、先述のような柔らかな表現も同居しており、その全ての要素が彼ならではの色艶に昇華されているようだ。また、ラジオでの喋り方など、その佇まいにはどこかミステリアスな印象を受ける一方で、時には年相応の無邪気さが顔を出すのも面白い。本来は相対する様々な要素が、“菅田将暉”というフィルターを通じ、ひとつの趣ある音楽表現になりえている。だからこそ、その時々で発する歌声のバランス感などに、常に変化を感じるのかもしれない。

 そんな菅田は、12月21日放送の『ミュージックステーション スーパーライブ2018』(テレビ朝日系)にも出演。今年2月にリリースした3rdシングル表題曲「さよならエレジー」を歌唱する。同楽曲は、“孤独のなかで見出す愛情のカタチ”を前にもがく様子を描いたというロックナンバー。ラジオにも登場した石崎が作詞作曲を担当している。また、今年1月より放送されたTVドラマ『トドメの接吻』(日本テレビ系)主題歌にも起用。同ドラマでは、菅田とは旧知の仲である山﨑賢人が主演を務めるなど、「さよならエレジー」は、彼にとって多くの“繋がり”を呼びおこす、非常に思い入れの深い楽曲のひとつに違いない。

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