駒形友梨が明かす、歌声のルーツ 「“核”はやっぱりキャラソンやアニソン」

 駒形友梨が、12月5日に1st Mini Album『〔CORE〕』をリリースした。同作には、駒形自身が作詞を務めた「時の葉」など、彼女の歌声が中心(=CORE)となる7曲を収録。

 リアルサウンドでは、今年6月にシングル『トマレのススメ』で、<ロッカンミュージック>よりソロデビューを果たした駒形友梨にインタビュー。歌のルーツをはじめ、影響を受けたアーティストやコンテンツとソロの違い、『〔CORE〕』でサウンドプロデュースを務めた高橋諒とボーカルディレクションを担当した結城アイラとの制作秘話、今後のアーティスト活動においての目標などについてじっくりと語ってもらった。(編集部)

「初めて1曲通して歌ったのは、岡本真夜さんの「TOMORROW」」

ーー駒形さんのことは、『アイドルマスター ミリオンライブ!』の「カワラナイモノ」「vivid color」を聴いてソロデビューを楽しみにしていたので、『トマレのススメ』でデビューしたときは「いよいよ出てくるか」と純粋に嬉しくなりました。

駒形友梨(以下、駒形):ありがとうございます。満を持して出てきました(笑)。

ーーそもそも、この歌唱力がどのようにして生まれたのかという背景から聞いていきたいのですが、駒形さんの歌のルーツはどういうところにあるのでしょうか。

駒形:小さい時から両親とおばあちゃんと一緒に住んでいたんですが、おばあちゃんから演歌を習ったり、定期的に開催されるコンサートに参加してみたり、両親もよくカラオケに行ったりと、歌うことが当たり前の環境だったんです。生きていく中で歌う行為が自然だったというか。初めて1曲通して歌ったポップスは、岡本真夜さんの「TOMORROW」でした。その頃からアニメもよく見るようになって、アニソンを自分で真似っこして覚えていたんですが、アニメ『シャーマンキング』で林原めぐみさんを知ってからは、ずっと林原さんにハマっていって。アルバムを遡って買ってもらって、カラオケでもよく歌っていましたし、中学生に上がってからは坂本真綾さんにハマって、真綾さん漬けの青春時代を送ったり。あとは……中学生のころにカラオケ好きな友達とRYTHEMをよく歌っていました。

ーー林原めぐみさんや坂本真綾さんのエッセンスは、アルバムを聴いていてもなんとなく感じるところでもありましたが、演歌というのはびっくりですね。

駒形:キャラクターソングを歌い始める前は、カラオケでも大人っぽいバラードばかり歌っていたり、趣味でバンドをやっていたときにボーカロイドの楽曲をコピーしたりしていたこともあります。

ーーちなみにどんな曲なんですか?

駒形:MEIKOの「ピアノ×フォルテ×スキャンダル」とか。歌に厳しい友達と一緒にバンドをやっていたので、「全然違うよ」なんて怒られたりしながら(笑)。キーが高い「メルト」(supercell feat.初音ミク)も頑張って歌っていました。そう考えると、高校生時代も歌漬けの毎日で、すごく大事な時間でしたね。

ーー演歌からアニソン・声優ソング、ポップスからボカロまで幅広く歌いこなしてきたことが、常人離れした歌唱力の原点だったんですね。今回は高橋諒さんがサウンドプロデュースを務めていますが、どんなやり取りをして作り上げていったのでしょう?

駒形:私と高橋さんが直接やり取りするのではなく、まずはプロデューサーと私で全体のイメージと収録するそれぞれの曲のイメージをすり合わせていくことから始まりました。そうして出来上がった、いわば設計図を高橋さんにお渡しして。高橋さんとはプロデューサーを介してやり取りさせていただきました。最初は1曲目から3曲目までが決まって、他の候補曲のデモを一気にいただいて、私とプロデューサーでいいと思ったものをそれぞれ決めていったんです。「時の葉」に関しては以前から「暗くて地味な曲が歌いたい」と話していて、この曲がすごく好みで選ばせていただいたら、「歌詞も書いてみれば?」と言ってもらって、作詞をすることになったんです。もともとはもっと素朴でシンプルなバラードが良いなと思ってたんですけど、高橋さんの書いてくださった曲があまりにも良すぎて、「この曲を歌いたいです!」とお願いしました。

ーー今回リリースするミニアルバム『〔CORE〕』は、これまで歌ってきたキャラソンやデビュー曲「トマレのススメ」とも違うアプローチのように感じました。玄人向けでもありつつ、ポップにも聴こえるし、なにより駒形さんの歌が魅力的に聴こえる作品です。この作品のコンセプトはどのように生まれましたか?

駒形:『トマレのススメ』が好評だったことを受けて、プロデューサーが考えてくださったんです。「駒形さんにはこういう曲が合うと思うんですが、どうでしょう?」という提案をイベントの合間や隙間の時間にたくさんいただいて。かなり多くの楽曲を聴いて、私もそれに対してリアクションしたり、逆に「私はこういう曲も好きなんですけど、どう思いますか?」とお互いに好きな音楽を聴かせ合ったり、そういったイメージを共有していく期間を経て、今回のコンセプトが決まっていったんです。

ーーどういう曲が挙がってきたのか気になります。

駒形:ボカロ系もあれば、洋楽もあったりと、かなり幅広かったです。あと、私って「自分が歌えるかどうか」という基準で曲を聴くことが多いので、女性ボーカリストの楽曲ばかりなんです。今回のやりとりのなかで「男性の声だけど、一旦それは取っ払って、自分が歌う想像で聴いてみてください」と男性ボーカルの曲を聴かせていただいたときに、そういう考え方もあるのかと頭がクリアになりました。

ーーアルバムのコンセプトを決める期間でありながら、駒形さんのリスナーとしての幅が広がる時期でもあったと。

駒形:そうなんですよ。プロデューサーからも「私が歌うとどんなジャンルの曲でも、最終的にポップスになる」とよく言われていて。それが『〔CORE〕』というタイトルにも繋がってくるんだと思います。

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