この夏最も濃い一夜に? 開催迫る『ソニックマニア』全ラインナップをチェック

SPACE RAINBOW BRAINFEEDER NIGHT IN SONICMANIA

Jameszoo

Jameszoo - 'Flu feat. Arthur Verocai'

 新世代ジャズ勢を擁する<Brainfeeder>の中でも、アヴァンギャルドジャズや実験的エレクトロニックサウンド、プログレ、ブラジリアンジャズを自在に織り混ぜたトラックで、様々な音像を生み出すオランダ出身の若き鬼才。張りつめるような音と音の鍔迫り合いかと思いきや、そこから散った火花から一斉に色が広がって空間を彩っていくような、予想もつかない展開に想像力を駆使しながら身を委ねていく楽しさは、あなたの思考の最深部のその先まで誘ってくれることだと思う。

Dorian Concept

Dorian Concept - 'J Buyers'

 Flying Lotus、The Cinematic Orchestraのライブサポートメンバーとしてだけでなく、Thundercatの作品にも名を連ねる彼は、YouTubeで公開したmicro KORGの即興演奏動画で一躍話題となった天才演奏家だ。演奏、エフェクト、ループを超高速で繰り出し、液体の如く常に変化し続ける音は、時間も空間も捻じ曲げるようにフロアを飲み込んでいく。手元の妙技に酔っても、吐き出され続ける“揺らぎ”に脳を揺らされても、これ以上のない至福を味わえるのは間違いなさそうだ。

George Clinton & Parliament Funkadelic

Parliament - I'm Gon Make U Sick O'Me ft. Scarface, Mudbone

 先日、ツアー参加からの引退を表明したGeorge Clinton。彼が率いるParliament Funkadelicをフェスという形で見れるのは、おそらくこれが最後だろう。70年代から80年代にかけて、音楽シーンを揺らしまくった伝説の集団が、幕張の深夜に降臨する。極彩色のサウンドと渦巻くリズム。無限に続くような乱痴気グルーヴが、天元突破の螺旋エネルギーとなって、宇宙を突き抜けていくのは間違いない。とにかく飲んで踊って騒ごう。

Thundercat

Thundercat - 'Show You The Way (feat. Michael McDonald & Kenny Loggins)' (Official Video)

 King Crimson『クリムゾン・キングの宮殿』のように、後の世になっても必ずネタになるであろう、強烈なインパクトを誇るジャケット写真からは想像が出来ない豊潤なサウンドが詰め込まれた『Drunk』で世界中を魅了したThundercat。昨年のフジロックでのステージもうっとりするほど素晴らしかったが、今年は『ソニックマニア』のステージを盛り上げてくれる。6弦ベースを繰る超絶技法が生み出すメロディと甘いボイスで芳醇な空気を醸したかと思いきや、ユニークな歌詞と演出で、場の空気を朗らかにする。この魔法のような時間を楽しんでいただきたい。

Flying Lotus

Flying Lotus - Post Requisite

 <Brainfeeder>を率いる天才DJ。ヒップホップ、エレクトロニカから、ジャズ、ワールドミュージックなどジャンルを飛び越えたトラックメイキングで、プレイごとに新たな地平を開拓し続ける研究者とも挑戦者とも言える。その彼が、この夏に自身の最先端であるモードを披露し、それを体感できるのだから見逃すわけにも行かないという参加者は多いのではないだろうか。どんなビートが、どんな音が、どんな発想が来るのか。新しい次元を開き続ける知恵と、本能を刺激するダンスミュージックの奇跡的な融合を目撃していただきたい。

Ross From Friends

Ross From Friends - 'Project Cybersyn'

 SPACE RAINBOWステージのトリを飾るのはローファイハウスで頭角を表したUKのプロデューサー、Ross From Friends。メランコリックなメロディとロービートを得意とする彼のトラックは、夜明け前の最も深い闇から、朝日が街に光をもたらすまでの時間にピッタリと言える。フロアでゆっくり体を揺らしてみたり、どこかにで誰かと話し込んでみたり、ぼうっと床に座り込んで身体をクールダウンしてみたりと、それぞれの時間と感情にフィットする抜群のサウンドを与えてくれることだろう。

 以上が『ソニックマニア』全ラインナップである。読み終えて、改めて冒頭に書いた「どの時間、どのステージにいても、間違いなく脳が揺れるか、回るか、トぶかしている」というセンテンスをより理解していただけたのではないだろうか。この夏一番の濃くて熱い夏を、頭にも身体にも浴びて、異次元の快楽を満喫していただきたい。

(文=石川雅文)

SONICMANIA 2018公式サイト

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