NICO Touches the Walls、新たな充実期へ 最新EPから感じる“ロックバンドとしての衝動”

 メジャーデビュー10周年イヤーを迎えているNICO Touches the Wallsが7月25日、EP『TWISTER -EP-』をリリース。2017年12月にリリースされたEP『OYSTER-EP-』と同様、新曲5曲(DISC1)と同じ曲のアコースティックバージョン(bonus disc)の2枚組による本作には、彼らの最新モードが色濃く刻み込まれている。そのスタンスをわかりやすく言えば“ロックバンドとしての純粋な衝動”ということになるだろうか。

 2007年のメジャーデビュー以来、「ホログラム」「手をたたけ」などのヒット曲を生み出し、確固たる存在感を放ってきたNICO Touches the Walls。ロックンロール、ソウルミュージック、ファンク、レゲエ、ダブなどの要素を取り入れた多彩なアレンジセンス、メンバー4人の卓越した演奏力に貫かれたアンサンブルは、現在のロックシーンのなかでも完全に際立っている。ここはきちんと記しておきたいが、彼らは決して器用なバンドではない。最初から何でもできたわけではなく、新しいこと、“いまやりたいこと”に突き進み、取捨選択と試行錯誤を繰り返しながら、自らの表現の幅を広げてきたのだ。

 本作『TWISTER -EP-』でも、何にも捉われることなく、ミュージシャンとして純粋に好きなことをやり通すという姿勢はしっかりと貫かれている。それを象徴してるのがリードトラックの「VIBRIO VULNIFICUS」。いなたいロックンロールとエッジーできらびやかな音色がぶつかり合うこの曲は、90年代後半のデジタルロック、オルタナティブロックなどのテイストを感じさせながらも、ソウルを織り交ぜきわめて現代的なロックナンバーへと結びつけている。爆発的なハイトーンシャウトが印象的なボーカル、たどんなに激しく叫んでも豊かなメロディ感を失わないのも、光村龍哉(Vo/Gt)の才能だ。鋭利なラップから繰り出されるリリックも鮮烈。特に〈死ぬまで揺れていたいや 死ぬほど揺れていたいや〉というラインには、変化を恐れることなく、常に新しい音楽を求め続ける彼らのスタンスが反映されていると思う。

 「VIBRIO VULNIFICUS」はテレビ東京系ドラマ『GIVER 復讐の贈与者』のエンディングテーマに起用されている。吉沢亮が初めてダークヒーローを演じることでも注目を集めているこのドラマの原作は、伊坂幸太郎、恩田陸、乙一なども絶賛する新感覚リベンジミステリー『GIVER 復讐の贈与者』シリーズ (『日野草/角川文庫)。復讐する側、復讐される側の人間模様が複雑に絡み合い、驚きの結末へとつながるスリリングな感覚は、「VIBRIO VULNIFICUS」にも共通している。

関連記事