米津玄師、『アンナチュラル』主題歌は新たな転機に? 脚本家 野木亜紀子氏との対談から紐解く

 番組で松任谷由実の「ハローマイフレンド」に大きく影響を受けたと明かした「Lemon」は、ドラマ中の流れるタイミングやストーリー展開によって、ミコト(石原さとみ)、中堂(井浦新)、六郎(窪田正孝)など、異なるキャラクターの視点から歌われているように感じる。<夢ならばどれほどよかったでしょう>という冒頭の切ない歌詞に、それぞれの思いがこもっているようで毎回胸が締め付けられる。これも彼の“職人”技と言えるだろう。

 “頭の中で鳴っている”から、と人の声をサンプリングしたサウンドを曲中に入れ込むなど、テクニカルな一面も見せながら、「普遍的な音楽を作りたい」と語った米津。毎週作品を盛り上げると同時にお茶の間に浸透しつつある「Lemon」は、その目標に達した楽曲であり、彼にとって一つのブレイクスルーとなりそうだ。

(文=村上夏菜)

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