當山みれいが語る、清水翔太との「Dear My Boo」制作秘話と二十歳の展望

「「声がいいね」と言ってもらえることが増えた」

ーー當山さんは2013年にシングル『TATTOO』で全米デビュー。翌年にシングル『Fallin‘Out / I Wanna NO feat.SHUN』で日本デビューを果たしました。この4～5年間は、當山さんにとってどんな時期でした？

當山：かなり葛藤してましたね。さっきも言いましたけど、最初は「とにかくカッコいい音楽を作りたい」という気持ちが強かったんです。1枚目のEP『Memories』（2014年）はEDM色が強いんですけど、ちょうどマーティン・ギャリックス、ZEDDなどが出て来た時期なんですよ。「絶対、日本でもEDMが来る！」と思って作っていたし、いまもライブでは必須の曲になってるんですけど、「あの頃は尖ってたな」って（笑）。歌詞も「悩んでないで一歩踏み出せ！」みたいな内容が多かったんですよ。その後、いろんな経験を重ねるなかで、意識も変わってきて。いまは「そんなこと言っても、悩むときは悩むやん」という感じなので（笑）。もちろん『Memories』はあの時期じゃないと作れなかった作品だし、全力で取り組めたのは良かったなと思いますけどね。

ーー『Memories』から1stフルアルバム『My Way』（2016年リリース）までは2年半のインターバルがありますね。

當山：プロフィールに“潜伏期間”と書いてるんですけど（笑）、この時期は高校にしっかり行ってたんですよ。アメリカに留学していたので、日本での経験があまりなかったんです。でも、2014年から2016年にかけて高校に通ったことで、友達もたくさんできて、「日本の高校生ってこんな感じなんや」ということもわかって。私が音楽活動をしていても、壁を作らず話してくれるし、いっぱい遊んで。そこでインプットできたこともめちゃくちゃ多いんですよ。「My Way」のMVに出てくる女の子は私の友達がモデルになっているし、LINEのBGMに「Dear My Boo」を設定してくれてる子もいて。嬉しいですね、ホントに。

ーー今年で二十歳になるし、さらに楽しみが広がりそうですね。

當山：できることが広がるぶん、自分で責任を取らなくちゃいけないから、ちょっと複雑なところもありますけどね（笑）。“高校生”“10代”という肩書もなくなるし、これからもっとがんばらないといけないなって。だから「二十歳になるのは楽しみ？」と聞かれたら、ギリギリYESが勝ってます（笑）。

ーーR＆Bをルーツに持つ女性シンガーも続々と登場していますが、そのなかでどんなポジションを得たいと思っていますか？

當山：そうですね……。「願い」「Dear My Boo」もそうなんですが、「歌詞がいい」とか「声がいいね」と言ってもらえることが増えてきて。デビューした頃は「歌が上手いね」と言われることが多かったんですけど、ニューヨークにいた頃、歌が上手い人をめちゃくちゃ見てきたし、それだけではダメだということもわかっていて。私の声は私だけのものだし、自分にしか書けない歌詞があると思っているので、そこは大事にしていきたいです。

ーー期待してます！　最後に、いま気になっている音楽を教えてもらえますか？

當山：もともとエレクトロが好きで、m-floの☆Taku Takahashiさんに楽曲をお願いしたこともあるんですが、国産のエレクトロをやってみたくて。ANIMAL HACK、banvoxもそうですけど、日本のクリエイターと一緒に曲を作れたらいいなと思いますね。

（取材・文＝森朋之）