『グレイテスト・ショーマン』キアラ・セトルが語る“音楽が持つ力”「どんな言語にも変えられない」
ヒュー・ジャックマンが主演を務めるミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』が2月16日に公開された。ジャックマン演じる伝説の興行師パーナムが、困難を乗り越えながらもショーの成功を目指すというストーリーに、『ラ・ラ・ランド』の作詞家コンビが手掛けた楽曲が美しく響く本作。ジャックマンはじめ、『ハイスクール・ミュージカル』のザック・エフロンや『スパイダーマン:ホームカミング』のゼンデイヤなど歌唱力が称されるキャスト陣の歌声響く本作のサウンドトラックは、世界73カ国のiTunesランキング1位、日本でもiTunes ランキング1位を獲得している。
その中でも髭女レティ役のキアラ・セトルが歌う「This is Me」は、世界中から特に高評価を受けており、第90回アカデミー賞歌曲賞にもノミネートされているほど。今回リアルサウンドではセトルにインタビューを行い、普段舞台女優として活躍する彼女に、本作の楽曲についてやミュージカル映画初挑戦への心情、音楽が持つ力などについて語ってもらった。(編集部)
周りにみんながいてこそ気持ちが伝わる
ーー映画は2度目の出演で、本格的なオリジナル・ミュージカル映画は初となりましたが、映画と舞台で違いはありましたか。
キアラ・セトル:たくさんあるけど、やっぱりカメラを意識することが一番ね。舞台上だと、お客さんのために演じるけれど、映画は全身全霊でしょ。カメラの前だと、むき出しにされる感じがあるの。とっても怖かったわ。
ーーヒュー・ジャックマンやザック・エフロン、ゼンデイヤなど、たくさんのキャストと共演してみて何か心情に変化はあったでしょうか。
キアラ・セトル:初めは「わたしだけ居場所が違うんじゃないか」と感じていたけれど、そんな感情はすぐに消えたわ。1人ひとりがみんな違うキャラクターを演じていて、誰も似た人がいないの。そういう場所だったから、安心して演技ができたんです。
ーー「This is Me」のワークショップで、ジャックマンの手を取り、泣きながら歌われていましたが、あれはレティとご自身を重ねての涙だったのでしょうか。
キアラ・セトル:あの時のことは今思い出しただけでも、泣けてきちゃう。確かに役と重なったのかもしれない。「This is Me」をみんなの前で歌う初めての機会だったから、とても怖かった。だからヒューに手を握ってもらったの。ヒューからの「歌ってほしい」という説得と、彼がわたしの手をずっと握っていてくれたおかげで、ようやく歌うことができたわ。
ーー劇中での「This is Me」は、レティが仲間を引き連れながら、自分自身を受け入れることの大切さを伝える重要なシーンで歌われていましたね。
キアラ・セトル:“希望”の象徴となる役だったけど、周りにみんながいてこそ気持ちが伝わるシーンだった。1人では無理だったわ。あのシーンはとても長く撮影して、16時間くらいかかったわね。あの場面だけでよ! だから「This is Me」の撮影を通して、キャストのみんなととっても仲が良くなったわ。今でも友達同士よ。
ーー「This is Me」に合わせて登美丘高校ダンス部が踊る動画が話題になっています。キアラさんもInstagramに感想を投稿していましたね。
キアラ・セトル:登美丘高校ね! わたしがあの動画を一番初めに見つけたのよ! ファンページを見たときは、何度も繰り返して見たわ。プロデューサーにも送ったのだけれど、プロデューサーも泣いてしまったの(笑)! だから、「投稿しないと」と思って。それから、振付師とヒューにも「見て」って送った。そうしたらヒューもすぐ反応して「どういう人達なんだろう」って言っていたわ。まさか大阪の子たちだったとはね。あの動画には、今でもインスピレーションを受けているわ。もう一度言っておくけれど、最初に見つけたのはわたしよ!(笑)