森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.65

八王子P、足太ぺんた、ぐるたみん……“ネット発信”の音楽活動を新作でどう表現した?

nowisee『reALIVE』(通常盤)

 2015年8月8日8時8分8秒に“生きる意味を問う”ことをテーマにした「52Hz」プロジェクトを始動。同年10月8日にスマートフォンアプリ「nowisee」をリリースし、映像、音楽、ノベル、コミック、ボイスドラマなどのコンテンツを横断しながら発信を続けてきたクリエイターユニット・nowiseeから2ndアルバム『reALIVE』が届けられた。24カ月連続で毎月8日に新曲のMVを公開してきた彼ら。その集大成であり、2年に及んだ「52Hz」プロジェクトの完結となる本作は、楽曲同士のつながりを軸にした壮大なストーリー性、まるで映画のサントラのような多彩なサウンドメイクなど、様々な視点から楽しめる作品として成立している。ネット、映像、小説、音楽が有機的に関連づけられた、極めて現代的なエンターテインメントである。

nowisee / 2nd ALBUM「reALIVE」全曲ダイジェスト (2017.8.30 Release)
三月のパンタシア『ルビコン』

 女性ボーカリスト“みあ”の歌声に惹かれたネットミュージシャン、イラストレーターなどによるプロジェクト・三月のパンタシアの4thシングル『ルビコン』。TVアニメ『Re:CREATORS』(TOKYO MXほか)第2クールエンディングテーマに起用された「ルビコン」は、二つの世界を隔てる境界線を越えてつながろうとする決意を描いたアッパーチューン。ドラマ性を感じさせるメロディ、生楽器の響きを活かしたサウンドメイク、前向きな決意と美しい憂いを共存させたボーカルなど、このプロジェクトの特性を端的に押し出した楽曲だ。作曲は「365日の紙飛行機」(AKB48)「制服と太陽」(欅坂46)などを手がけたaokado、メインビジュアルは漫画家の萩原あさ美が担当。アイドル、アニメ、コミックにおけるトップクリエイターのコラボ作品としても楽しめる。

三月のパンタシア 『ルビコン』

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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