『CINDERELLA MCBATTLE Vol.2』渋谷HARLEM

女性ラッパーたちの勝負の行方は? HIPHOPの未来照らした『CINDERELLA MCBATTLE』を観た

 日本でも盛り上がっているフィメールラップシーン。そんな中、真の女性ラッパーNo.1を決める『CINDERELLA MCBATTLE Vol.2』が6月11日、渋谷HARLEMで開催された。

 今年1月に開かれた第1回目では激闘の末にあっこゴリラが優勝。晴れて日本一のフィメールラッパーという称号を手にした。第2回目となる本大会だが、前回涙の敗退となった椿やワッショイサンバ、MC Frog、a.k.a音Solarがリベンジに挑むところとなった。また、オーディションを勝ち抜き、新たに挑戦するMCも多数登場。何より2000年代のHIPHOPシーンで大活躍したCOMA-CHIの参戦が話題になった。他にも元祖サイファー娘のCHARLESが産後からの復帰など、見どころが非常に多い第2回目のCINDERELLA MCBATTLE。果たして今回の優勝者は誰になるのか、多くの観客が見守る中、開幕となった。

 司会進行はラッパーのACE、アシスタントは青山めぐ。ルールは至ってシンプル。選手はDJが回すビートの上で8小節フリースタイルラップができる。それが3ターン交互に回ってくる。競う2人のMCのうち、どちらが会場のオーディエンスの歓声を得られるかという基準によって勝敗が決められる。それでも決まらない場合は延長試合になったり、監修のMC正社員のジャッジメントに委ねられることもある。ラップのスキルが問われるのはもちろん、どんなインパクトのある言葉で相手を言い負かすことができるかが勝負の分かれ目となる。

序盤から波乱の幕開け 

 いざ大会が始まってみると波乱の幕開けとなった。前回のリベンジに賭けるMC Frogが加藤真弓に僅差で負けてしまったのだ。MC Frogは『戦極MCBATTLE』第16章関西予選で準優勝もした実力派で積極的に音源もリリースしている。しかし対する加藤真弓も「サイタマノラッパー」にMC役で出演した女優という変わり種。「映画に出てギャグラッパーと馬鹿にされて、悔しくてここまでやってきた」とパンチラインを放つ加藤が延長戦の上、勝利を勝ち取った。他にもリベンジを狙うa.k.a音Solarが15歳のCESIAに負けてしまい、10代同士の戦いとなるladystarとKIYOのバトルではladystarが勝つなど、熱いバトルが繰り広げられ、会場を大いに盛り上げた。

(○)CESIA VS (×)a.k.a音Solar
(○)広崎式部 aka ASuKa VS (×)千
(○)加藤真弓 VS (×)MC frog
(○)ladystar VS (×)KIYO

ベスト16では“ママMC同士の戦い”も

 続くベスト16の戦い。ワッショイサンバやまゆちゃむ、椿、MC Mystieなどリベンジ組の勝利が続く。COMA-CHIも長いキャリアで培ってきた実力を見せつけて勝利。CHARLESとTomgirlはママさんMC同士の戦いとなった。Tomgirlも『Let's get drunk』などのEPをリリースするキャリアの持ち主だが、元祖サイファー娘CHARLESを前にして一歩及ばず。しかしママMC同士の戦いという展開にこれからの女性MCの新しい生き方が見えたような素晴らしい試合だった。

(○)ワッショイサンバ VS (×)KIDA
(○)CESIA VS (×)しあ
(○)COMA-CHI VS (×)広崎式部 aka ASuKa
(○)まゆちゃむ。 VS (×)セルラ伊藤
(○)MC Mystie VS (×)土竜asNason
(○)椿 VS (×)加藤真弓
(○)ぱっつん VS (×)ladystar
(○)CHARLES VS (×)Tomgirl

前回の王者あっこゴリラが登場

あっこゴリラ

 
 ここで前回の王者あっこゴリラのショーケースが始まる。「あたしが前回優勝したあっこゴリラです」とおちゃらけながらのスタート。鉄板曲の「TOKYO BANANA」のほか、話題の新曲「PETENSHI × ITSUKA (Charisma.com)」「黄熱病 -YELLOW FEVER- × STUTS」などを熱唱。金メダルを噛むアスリートさながら、前回手に入れた王者の証でもあるティアラを噛んで会場を盛り上げた。「もし優勝すればあっこゴリラのように大勢の人の前でライブができる」、今回の出場者にそんな希望を与えるようなライブだった。

関連記事