KinKi Kids、NEWS……メンバーの関係性を語るグループなぜ増えた?
かつての日本のメディアでは、アイドル=若くて旬なタレントという概念だったように思う。青春時代に憧れ、恋する相手だった。だが、今は30代、40代と年齢を重ねて、第一線で活躍しているグループが多い。
SMAPやTOKIOをはじめ、連日メディアに露出しているジャニーズアイドルたちは、すでにベテランと言われる年齢に達している。これは、ジャニーズ史上かつてない事態ではないだろうか。
理想の初恋相手だった彼らは、いつの間にか理想の上司、理想の結婚相手、理想の父親…などと、ポジションを変えて、それぞれの年代で憧れられる像を築き上げてきている。何十年単位で日本の「カッコいい」を作り続けている彼らの努力には、敬服のほかない。
その長い年月の中で、「理想の王子様」は「現実の男」として仕事に向き合っている。ときに、苦悩や挫折を味わい、それを乗り越えて最前線を走り続けてきたのだ。そのプロセスをポジティブに振り返り、同じように現実の壁にぶつかりながら生きている人々に勇気を与えるということも、人としての器。世代を越えて、多くのファンに愛されているジャニーズアイドルたちは、そんな人間性そのものが魅力としてとらえられる時代になったのかもしれない。
(文=佐藤結衣)