『AAAぴあ』発売記念企画
AAA、西島隆弘・浦田直也・末吉秀太・伊藤千晃が語る“これまでの10年とこれからの10年”
浦田直也「競い合いながらお互いを応援している」
――まずは、浦田さんが音楽の道を志した原点から振り返っていただけますか。
浦田:幼いころから2人の姉に影響を受けて、自然に人前で歌うことが好きになっていました。特定の曲が好きというよりオールジャンルで、姉が好きなDreams Come Trueも歌えば、演歌だって歌っていましたよ(笑)。
――そこから大きな転機になったのは?
浦田:中学時代ですね。小室哲哉さんを筆頭に、その後avexの先輩になるTRFさん、安室奈美恵さん、DA PUMPさんのようなダンスミュージックの要素を持ったアーティストが続々と登場して、憧れるようになって。クラス中が小室ファミリーに入りたがっていたくらいのムーブメントでしたね。なかでも特に刺激的だったのがDA PUMPさん。“自分がやりたかったことを先にやられた”というような感覚になりました。バックストリート・ボーイズやイン・シンク、ボーイズIIメンのようなグループもブレイクしていたころだったので、本当に良い時代に生まれたと思うし、そのタイミングが少しでもずれていたら、今の人生を歩んでいなかったのかもしれません。
――そこからダンスを始めた浦田さんは、AAAに入るまで歌と踊りを両立させるようになるわけですよね。
浦田:はい。自分としても武器がほしいと思ってダンスを始めて。歌は自分自身で成長をあまり実感しにくいけど、ダンスは今まで踏めなかったステップが踏めるようになったり、成長している実感がありました。オーディションを受けながら、ダンサーとしても成長していったと思います。一時はダンスだけに熱中していた時期もありましたが、19歳のときに何か物足りなさを感じて、自分の中で“やっぱり歌が1番なんだ”と考えるようになったんです。
――AAA結成を言い渡されたときのことを、改めて振り返ってもらえますか。
浦田:オーディションを受けたときも、自分はもう20歳だったから、“これが最後のチャンスだ”というくらい腹を括っていて。合格してレッスン生になってからも、年齢関係なく、他の人たちに負けたくないと思っていました。自分の中ではボーイズ・グループを組むものだとばかり思っていたので、結成時に男女混合だと言われたときはさすがに驚きましたけど、『やります!』と即答したんです。
――浦田さんから見て、当時、メンバー間はどういう関係性だったのでしょう?
浦田:個人活動の時は、出てくる相手にただ勝てばよかったのでシンプルでした。でも、最初はライバルとして意識していたメンバーとグループを組むことになったので、自分が足を引っ張っていると言われたくないし、他のメンバーもスキルアップしてほしいというか、競い合いながらお互いを応援しているという複雑な関係性でした(笑)。
――その頃から、リーダーとしての葛藤はあったんですね。
浦田:今はみんな大人になって、年齢差を感じなくなりましたが、結成当時は、自分が20歳で、ほかのメンバーはまだ16歳とか14歳でしたからね。弟や妹の面倒を見るような意識はすごくあったと思います。ご飯に連れて行ったり、悩みを聞いたり。その立ち位置に居心地のよさを感じていました。誰かに相談してウジウジしているよりも、誰かに相談されてカッコつけてる自分のほうがよかったというか。“そんなの悩む必要はないよ”とか言ってる自分に酔えたんですよね(笑)。だからこそ、折れずに頑張れたんだと、今は思っています。
――ちなみに、リーダーとして指名されたときの状況は?
浦田:結構ライトな感じでしたよ(笑)。メンバーが集められたときに、avexの方から『わかると思うけど、一番年上だからリーダーだよね』と言われて。
――浦田さんは上からモノを言うようなリーダーではなく、“長男であり末っ子”という印象があるのですが。
浦田:それ、すごく言われます(笑)。人とコミュニケーションをとることが好きだから、良い意味で自然に自分のキャラを使い分けられているんだと思います。年上の人の前では全力で甘えるし、年下の前では全力で大人ぶるし。全く演じているつもりもなく、自然体で接しているんですけどね。
――近年はメンバーと年齢差を感じなくなっていると思うのですが、それによってどういう変化がありましたか?
浦田:今は逆に年齢を追い越されたくらいの感覚でいます(笑)。たぶん、『この人はいつまで子どもなんだろう』なんて思われるんじゃないかな(笑)。自分のように、20歳で芸能界に入った人と、10代半ばから大人に囲まれて過ごしてきた他のメンバーでは、まったく感覚が違うような気がします。僕はいわゆる中途半端な大人から、しっかりした大人になったというくらいの変化で、ほかのメンバーは、何も知らない子どもから、すごい大人になる時期だったわけですからね。特に女性メンバー2人からは、子供だと思われているかもしれません(笑)。
【インタビューの続きは『AAAぴあ』にて】
(取材・文=麦倉正樹/写真=竹中圭樹【D-CODE】)
次ページ・末吉秀太インタビュー