テレビ音楽番組はバラエティトーク型優勢に? バナナマン・バカリズムら起用の背景
また同氏は、『バナナ♪ゼロミュージック』と『バズリズム』、『Love music』について、各番組の特徴を次のように指摘する。
「『バズリズム』は、アーティストのキャラクターをさらに掘り下げていく番組で、細かいところをどんどん突いていくのは、深夜という放送時間帯にもバカリズムの芸風にもあっているといえます。一方の『バナナ♪ゼロミュージック』は、 22時台からという家族も見るであろう時間帯のため、バナナマンの2人が和気藹々とした感じでアーティストやアイドルと接し、あくまで素人目線から、気軽に楽器や音楽の楽しさを知るという、いかにもNHKらしい番組ですね。『Love music』は、前身の『水曜歌謡祭』が生放送で生歌を売りにしていたのとは正反対の路線を歩んでおり、良い具合に力の抜けたユルさが出ています」
最後に同氏は、これからさらに増えるであろう音楽番組の傾向をこう予測してみせた。
「関ジャニ∞がMCを務める『関ジャム 完全燃SHOW』には最近さだまさしが登場し、雑誌の料理コーナーに載ってあるレシピをそのまま読み上げて即興で歌にするという企画がありました。『バナナ♪ゼロミュージック』も同じく、音楽とバラエティ的なものを自然に融合させようとしているのを感じます。今後の音楽番組は、トークももちろんですが、そのように音楽の基本的な楽しさを味わわせてくれるようなバラエティ路線のものが増加するのではないかと思っています」
時代に応じて変化し続けるテレビ界において、音楽番組は当面、“フレンドリーさ”や“バラエティ要素”を取り入れつつ展開していくと言えそうだ。
(文=中村拓海)