ピロスエの徹底リサーチ
16年目の「LOVEマシーン」別バージョン・カバー図鑑――モー娘。の代表曲はどう歌われてきた?
海外のミュージシャンによるモーニング娘。楽曲の英語詞カバーアルバム。ポリドールからのリリースだが、つんく監修によるハロプロ公認作品である。8曲目収録のLOVEマシーンカバーを歌っているのは女性ボーカリストのデビー・フレンチ。同アルバムには他に米R&B/ソウル女性ボーカルグループであるアン・ヴォーグのメンバーの一人シンディ・ブラッグスが歌う「ザ☆ピ~ス!」、英フュージョンバンドのシャカタクによる「モーニングコーヒー」インストカバーなどを収録。
同コンセプトで、今度は娘。以外のハロプロ楽曲にも範囲を広げた第2弾『カバー・モーニング娘。ハロー!プロジェクト!』(ユニバーサルJ)が2002年発売。そしてこの二つをまとめた2枚組アルバム『Hip Hits! MORNING MUSUME. HELLO! PROJECT INTERNATIONAL COLLECTION』(ユニバーサルJ)は2003年にリリースされている。
ロックバンド「猛毒」を中心としたインディーズ音楽レーベル「殺害塩化ビニール」。そのレーベル所属バンドや周辺バンドたちによる、有名曲のカバーを集めたオムニバスアルバムシリーズの第3弾が本作で、KEN@毒テロ名誉会長(バンド・毒殺テロリストのメンバーと思われる)による「超淫語娘。女奴隷(モーニング娘。替え歌メドレー)」を収録。LOVEマシーンをはじめとした娘。のヒット曲を淫語歌詞で替え歌したメドレーカバーとなっており、本記事で紹介した中ではもっともカルトな一作だろう。
なお、前作にあたる同オムニバスアルバム第2弾『大熊小鹿馬場鶴田2』(2000年)では、腐乱シュタイナーがプッチモニ「ちょこっとLOVE」をカバーしている。
80年代後半のカラオケが普及し始めた時期を背景に登場したのが、覆面ユニットのザ・マイクハナサーズ。「男と女のラブゲーム」「もしかしてPARTII」といった当時の有名デュエット歌謡曲をメドレーでカバーした1988年作「わたしたちどうするの?」がヒットした。以降も続編的なリリースがいくつかあるが、2003年にシングル6タイトル同時リリースしたうちのひとつがこの「ゼッタイ歌いたい!幸せになれるスーパーLOVE2メドレー」。プッチモニ「ちょこっとLOVE」、宇多田ヒカル「traveling」などと共にLOVEマシーンもメドレーに組み込まれている。なお、このシングルはCCCD(レーベルゲートCD)仕様。
米パンクバンド・アリスターのフロントマンであるスコット・マーフィーは日本通で、2006年リリースのアルバム『ギルティ・プレジャーズ』ではスピッツ「チェリー」やサザンオールスターズ「TSUNAMI」をカバーして話題を呼んだ。バンドの活動休止後は、スコットのソロ名義で『ギルティ・プレジャーズ』の続編アルバムを制作。第3弾となる本作でLOVEマシーンが取り上げられた。メロコアパンク風サウンドに日本語詞でのカバーとなっているが、なんとゲストとしてモーニング娘。OGの中澤裕子・安倍なつみ・保田圭がコーラス参加している。
[2009.04.**]AFTER SCHOOL「Dream Girl」(CJ E&M Music)
2009年デビューの韓国女性歌手グループ・AFTER SCHOOL。同年4月より行われた「ハロー!プロジェクト韓国オーディション」のテーマソングとしてLOVEマシーンがカバーされた。曲名は「Dream Girl」に変更され、韓国語詞、K-POPマナーなサウンドによるカバーとなった。音源化リリースはされておらず、YouTubeの公式ミュージックビデオのみで試聴可能となっている。なお、ハロプロ韓国オーディションはチャン・ダヨンが唯一の合格者。
高校野球の定番、ブラスバンドによる吹奏楽カバー応援歌を集めた「ブラバン!甲子園」シリーズ第3弾にてLOVEマシーンが取り上げられている。アルバムは全40曲収録で、ハロプロには直接関係ないが、「残酷な天使のテーゼ」「タッチ」の2曲にはそれぞれ高橋洋子、岩崎良美がゲストボーカル参加。また、シリーズすべてのジャケットイラストはマンガ家の柏木ハルコ描き下ろし。
なお、LOVEマシーンを取り上げた同種の吹奏楽カバーには、2015年4月22日発売の航空自衛隊航空中央音楽隊『究極の吹奏楽~伝説編』(EIGHT COMPANY)もある。
俳優の竹内力が、双子の弟という設定のキャラ「RIKI」名義で歌手デビューしたのは2007年。そして2009年リリースの1stアルバム『全国制覇』にて、「LOVEマシーン ~RIKIバージョン~」としてカバーされた。このリリース時期のRIKIは、暗い世相の日本に喝を入れるべく「日本リーゼン党」を旗揚げして、ハッスルに参戦したりなどの活動を行っており、LOVEマシーンカバーもその一環。つんく♂から“替え歌までもOK”という許諾を取ってのカバーで、新しい歌詞で歌われている。
アルバムはDVD付き限定盤と通常盤の2種仕様で、DVDには「LOVEマシーン ~RIKIバージョン~」ミュージックビデオが収録された。また、2010年リリースのDJ KAYAによるコンピレーションアルバム『JAPANATION』(rhythm zone)には、リミックスされた「LOVEマシーン ~RIKIバージョン~ (DISCO HOUSE MIX)」が収録されている。