レキシの稲穂、Perfumeのハイヒール……“キャラ立ち”アーティストグッズが増加している理由は?

 8月22日に『長渕剛10万人オールナイト・ライヴ2015in富士山麓』を開催する長渕剛が、コップのフチに飾るマスコット「長フチ剛」の発売を先日発表し、大きな話題となった。

 思わずツッコみたくなるようなものから、実用性の高い日用品まで、最近のアーティストグッズはとにかく品揃えが豊富だ。今回の「長フチ剛」のように自身のキャラクターを生かし、なおかつインパクトのあるグッズを展開している事例に注目してみたい。

 まず、レキシが先日販売を開始した稲穂のレプリカ「INAHO」は、まさにレキシらしいグッズだ。ライブ定番曲「狩りから稲作へ」で起こる「稲穂」のコールアンドレスポンスで主に使用するライブ盛り上げアイテムである。レキシは、歴史をテーマにした楽曲を歌う自身のアーティスト性を生かしたユニークなグッズ展開が多い。「袴Tシャツ」もその一つで、袴を着ているようなだまし絵プリントが施されたTシャツは、フェスなどの会場でも多く見かけるようになった。

 だまし絵プリントといえば、氣志團が販売している「学ランを着た悪魔」「セーラー服の期間中」も、学ランがトレードマークの彼らのアーティスト性を生かした、学生服デザインのプリントが特徴的なTシャツだ。レキシや氣志團のようにテーマ性のあるアーティストは、グッズも企画のしがいがあるだろう。大いに自らのキャラクターで遊ぶことができ、またそのグッズがアーティスト色をさらに強める一つの要素としても作用する。

 Negiccoのグッズにもユニークなものがある。アイドル現場でおなじみのサイリウムが「ネギ」のデザインになるだけでNegicco仕様に早変わり。ファンの人たちを「ねぎらう」という意味も込められているという「ネギライト」のネーミングに関する説明も、まさにアイドルらしさを演出する一つの要素となっている。

 ここで少し角度を変えて、Acid Black Cherryのグッズを紹介したい。楽曲テーマとして掲げる「エロ」をモチーフとしたきわどい大人向け商品が多い中、備考欄に「肩こりやツボの刺激に最適」と書かれた「セットじゃないけどOPQセット」という怪しげなツアーグッズを発見。まさにABCらしいアブノーマルな世界観を感じさせるグッズだが、星野源が同じように「エロ」をグッズにすると『星野源のひとりエッジ in 武道館』公演の「ひとりエッジ用ティッシュ&カバー」となるから面白い。

 同じようなテーマでグッズを制作しても、アーティストごとにまったく異なる展開が生まれる。グッズは、アーティストの纏う雰囲気を具現化するひとつの手段でもあるのだ。

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