12thシングル『太陽ノック』インタビュー

乃木坂46・生駒里奈がめざす“シーズン3”の自分とは?「新しい『強くて怖いもの』に出会わなきゃ」

 

「今がんばってることを将来につなげたい」

──それにしても2015年前半はあっという間でしたね。

生駒:こんなに早く過ぎる上半期も今までなかったな。去年はもうちょっと時間がかかったんですけど、今年は「もう7月! その7月も、もう終わる!」って。しかも全国ツアーが終わったらもう8月も終わるし。早いなあ。

──ちょうど去年の3月、兼任が決まった直後にインタビューしたとき、ここからが“生駒里奈のシーズン2”という話をしました。外の世界を見てくるという意味では兼任解除までがシーズン2なのかなと思うんですが、この1年は生駒さんの中では手応えのある期間でしたか?

生駒:経験値は上がったなと思っていて。ただそれを生かせる時間や気持ちの余裕はなかったけど、素材はたくさん採れたので、これからはそれを生かす時期なのかなと。

──もっとやれたとか、悔いを残している部分はありますか?

生駒:劇場公演にもっと出たかった。それくらいですね。あとは乃木坂46とAKB48さんってこんなにもグループのやり方が違うんだ、そういう意味ではこれが精一杯だったのかもしれないなって。でも自分の中では乃木坂46から行くという形で、ちゃんと兼任できたと思うので、そこでの後悔はないです。

──なるほど。となると、ここからがシーズン3になるわけですが、今はどういう心境なんですか?

生駒:今の活動がどこに活きるかというと、卒業後や自分が乃木坂46じゃなくなったときであって。もちろんそれを考えすぎてもダメなのはわかってるけど、いま頑張ってることをぜひ将来に繋げたいから、いろんなことに対して自分で壁を作らずに、苦手な演技も含めて、ちゃんと自分に依頼されたことは全部やろうと決めてます。

──そして、そこでちゃんと結果を残すと。

生駒:はい。それで今まで興味がなかったことに興味が持てたら、それを乃木坂46じゃなくなったときにちょっとやってみようかなって思うし。逆に乃木坂46を辞めたらできなくなっちゃうことは、乃木坂46にいるうちにたくさんやっておきたいというのもあります。

──アイドルじゃないとできないことってたくさんありますからね。

生駒:そうですね。だからいっぱいやりたい。それにお母さんからは「料理ができるようになりなさい」って言われてるし(笑)、やりたいことをたくさん増やしておこうって思います。

──この世界で生きていきたいっていう思いが強いわけですもんね。

生駒:せっかく滅多に入れない世界に入ることができたので、もうちょっと続けても損はないだろうし、芸能界とのご縁が薄かったら自然に消えていくと思うので、ご縁があるうちはいろんなことを、お仕事としてやってみたいですね。

 

「今は楽しくて、あんまり大変だなとは思わない」

──ちょっと話は変わりますが、例えばセンターを5作連続でやった頃は「自分 vs センター」「自分 vs 周りからの目」みたいに、高い壁がたくさんあったわけですよね。

生駒:それしか見えなかったというか。他にもいろんなことがあるのに、余裕がなくてそこまで手が付けられなかったんです。

──で、兼任をしていた頃は、ライバルグループに行っていろんなことを学んで、またそこでいろんなことと戦ってたわけじゃないですか。

生駒:その兼任のおかげでもっと広く、いろんなものを見れるようになったので、それは本当によかったなって。私は考え方を1つに絞って、それだけを信じてやっちゃってダメになってしまう性格なので、それを直すきっかけにもなりました。

──これまでそういう壁と戦って成長してきたわけですが、では今の生駒さんは何と戦っているのかがすごく気になるわけで。

生駒:今はなんだろうなあ……うーん……なんだろう?

──実は最近の生駒さんを見ていて、「戦ってる」感じとは違うなと思っていたんです。

生駒:今は楽しいというか。あんまり大変だなとは思わないし、別に体力的にきつい、肩が痛いというのはありますけど、別にそれが嫌だってこともないし、いろんなことが広い心で「ああ、今日もがんばったな、楽しかったな」って思えるようになってきて。逆にそれは危険なことかもしれないけど「これを乗り越えなきゃいけない」というものは兼任が終わって一旦なくなったのかもしれません。だから新しい「強くて怖いもの」に早く出会わなきゃいけないと思ってます。

──その「強くて怖いもの」には公式ライバルのAKB48は当てはまらない?

生駒:自分の中の「強くて怖いもの」は、そういう人とかグループの関係じゃなくて、歌が苦手とか演技が苦手とか自分の中での壁が「強くて怖いもの」なんです。“公式ライバル”と言っているけど、AKB48のみんなの努力がなかったら乃木坂46も生まれてないわけですし、そこは尊敬の目で見てます。

──ライバルにちょっと関係してきますが、鳥居坂46のことについても聞かせてください。概要についてはまだ明かされてませんが、別プロジェクトとして新グループが立ち上がります。今の心境としては追いかけてくるという危機感ですか、それとも新しい後輩ができるという期待感なのでしょうか?

生駒:私たちもどんなグループになるかよくわからなくて(笑)。ただ、鳥居坂46をやりたいなって子はどんどんチャレンジすればいいし、本当に大変な世界なので入って後悔しないような準備をしてから入ってきてほしいなって、それだけは思います。

──2期生募集のときにも言っていた、「覚悟」ですね。

生駒:はい。そういう覚悟を決めていたほうが、入った後に楽な気持ちで活動できると思うし、心に何かひっかかったまま来ると宙ぶらりんで、たぶん自分が一番傷ついちゃうから。1つそういう気持ちを持っているだけで、楽しく活動できますよと言いたいですね。

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