『POKER FACE vol.2』インタビュー
アイドルとファッションの接点はどこにある? 新感覚のスタイルブック『POKER FACE』の挑戦
「ファッション誌で活躍するスタイリストを起用してリアル・クローズにこだわった」
ーーまだ同世代の女の子に届くようなコンテンツにはならなかった。
上野:そうですね。でもやっぱりやめるつもりはなくて、これまでの反省を踏まえて、次はもっと女の子目線を意識しながら、記事もデザインも写真もしっかり作り込もうと思いました。それで、2015年に入ってから『POKER FACE vol.2』を作り始めたんです。実際のところ、アイドルをスタイリッシュに撮っている雑誌はほかにもあると思うし、グラビアという観点ではクオリティの高いものもたくさんあります。だけど、ファッション写真という観点で捉えたときに、女性目線で見ても満足いくものは少ないのかなと思っていて。ただ、僕はファッション誌の編集者じゃないので、今回は『mini』さんや『SEDA』さんなどで活躍するスタイリストさんにもお願いして、掲載するお洋服もX-girlさんやRNAさんといったリアル・クローズにこだわりました。さらに、音楽雑誌出身というコネクションを活かして、アイドルだけではなく、アイコン的な魅力がある女性アーティストーートミタ栞さんやAwesome City ClubのPORINさん・ユキエさん、ねごとの沙田瑞紀さんといった方や、モデルでありながらアーティスト活動もしている三戸なつめさんにも出演していただきました。
ーーアイドル、女性アーティスト、モデル、そしてファッション……さまざまなシーンの交差点のようなムックですね。
上野:でも、音楽雑誌の編集者がこういうものを作るにあたって、クリアしなきゃいけないことはたくさんあって。たとえば、アイドルさんがモデルってところで難色を示すアパレルブランドさんもいらっしゃいますし、なんでもかんでも着せ込みが可能なわけではない。でも今回は、お願いしたスタイリストさんとブランドさんの信頼関係があったことで、そのへんはうまくクリアできたんじゃないかなと思います。また、アーティストの方々には、音楽雑誌出身の自分が取材をするということで了承をいただき、モデル業でも活躍する三戸なつめさんには、アーティストとしての側面に迫るということでご協力いただきました。それぞれの障壁をひとつひとつクリアすることによって、女性アーティストやアイドルの文化とファッション文化をリンクすることができたんじゃないかなと思います。なので、同世代の幅広い女性の方に手に取っていただけると嬉しいですね。もちろん、ファンの方にも満足していただけると思います。
ーー今後はアプリの『POKER FACE』もバージョンアップしていく予定でしょうか。
上野:はい、今後は書き下ろしの漫画コンテンツも充実させるほか、タッチして遊べる機能なども追加して、アプリならではの楽しみを提供したいと思っています。アプリと本を連動していくことで、『POKER FACE』を広く親しまれるメディアに成長させていきたいですね。
(取材・文=編集部)