フラワーカンパニーズ『Stayin’Alive』リリース特別企画

漫画家・福本伸行が語るフラワーカンパニーズの魅力「人間は生きている限り情熱は捨てられない」

「落ち込んでいる人がいたら、『とりあえず聴け』と言いたい」

 

――福本さんはインタビューなどで、よく「過去にこだわるより、前だけを見据えて一歩一歩進める人間が成功する」という趣旨の発言をされています。25年間、メンバーチェンジも活動休止もなく、ライブ活動を続けてきたフラカンは、まさにその例のように思えるのですが。

福本:いや、フラカンの歩みはもっとじれったくて、一歩一歩というより、たぶん「三歩進んで二歩下がる」を繰り返してきたんじゃないかな。メジャー契約が打ち切りになったこともあったそうだし、CDの売上も観客動員も含めて、音楽活動を続ける上での危機もたくさんあったはず。そして、彼らにはそれを「コツコツ地道に乗り越えてきた」という意識もあまりないと思う。つまり「やるしかなかった」んじゃないかと思うんです。

フラカンはきっと、燃えて燃えて、超前向きにガンガンやってきたわけではない。「死に際のメロディー」にも、<もうやめようか なんて口に出してみる 他に出来る事なんか ないくせに>という歌詞がありますね。俺も漫画以外やることなんてないから、これがよく分かる。へこたれてヘロヘロになることがあっても、それでもやっぱり足を止めなかった。ペースが落ちたときはあったかもしれないけれど、走り続けた結果として、今があるんじゃないかと思います。

――移ろいやすい音楽業界で、稀有なバンドだと思います。

福本:フラカンの音楽はある種、王道なんだと思う。それを続けているから、ある時代には全然相手にされなくなることもある。でも、負けないで自分が信じる道を進んでいたら、世の中の方がグルッと回って戻ってきたんですよ。「こういう世界って、やっぱりいいよね」って。時代に合わせて変わらざるを得なくなって、ダメになってしまうミュージシャンもいるでしょう? フラカンはそういうポシャり方はしないし、長く続けていることが魅力につながっているんだと思います。それがようやく多くの人に気づかれて、ピークはこれからなんじゃないかと。

 

俺も『カイジ』シリーズが19年目だし、週刊ペースで漫画を描き始めてから、だいたいフラカンと同じ25年くらい。やり続けた人の蓄積って、やっぱり効いてくるんですよ。1回でも疲れて休んでしまうと、これがまったく変わってくる。漫画も、休んでしまったらこの作業にはなかなか戻れないですから。

――できればこれからも走り続けてもらって、還暦を超えた「深夜高速」も聴いてみたいですね。

福本:いいですね。40代も半ばになって、これから10年というのも大変だろうし、疲れちゃったりもすると思うけれど、いい具合に力が抜けた作品もフラカンの魅力。ロックミュージシャンだからってステージを走り回らなくても、その場で揺れていればそれでいいと思う(笑)。還暦と言わず、80歳くらいになって「深夜高速」を歌ったら、さらにカッコいいんじゃないかな。フォークシンガー・友川カズキの「生きてるって言ってみろ」という曲だって、年を重ねてから歌ったものの方が断然カッコいい。フラカンも、その境地に達するまで続けてくれたらうれしいですね。

――さて、そんなフラカンが今年の12月19日、初の武道館公演を行います。

福本:フラカンに「1(あい)2(に)19(いく)日」か。多くのファンが観に行くと思うけれど、その時々で刺さる曲が違うというか、「ああ、この曲もいいなあ」と思うことが多いから、どの曲をやるのか楽しみですね。

 

――今回、フラカンに対する共感も多く語っていただきました。福本さんの作品が好きなフラカンファンも多いと思いますので、最後にメッセージをお願いします。

福本:フラカンの曲、あるいは『カイジ』や『黒沢』は、浪人生とか、学校に行けない人とか、あるいは就職したけど辞めちゃった人とか、人生がいろいろとうまくいっていない人の応援団なんです。冒頭でも“諦念情熱”という言葉を出したけれど、人間はいろいろと諦めていくなかで、それでも、生きている限り情熱は捨てられない。だから、俺もフラカンも、「白けたふりをしても、あんた、本当はそうじゃないだろう?」「いろいろあるけどさ、楽しむために頑張ろうな」ということを伝えているんだと思う。もし、フラカンを聴いていない30~50代くらいの落ち込んでいる人がいたら、「とりあえず聴け」と言いたいですね。本当、これは、もう、是非聴いていただきたい!! 聴けばわかるって!!

(取材・文=橋川良寛/写真=石川真魚)

■リリース情報
『Stayin’Alive』
発売:2015年1月21日(水)
初回盤(CD+DVD):AICL 2805-6 ¥3200(税抜) 
通常盤(CD):AICL 2807 ¥2800(税抜)
収録曲
Disc-1(CD)
01. short hopes
02. 地下室
03. 星に見離された男
04. 死に際のメロディー
05. 東京の朝
06. 祭壇
07. この世は好物だらけだぜ
08. 感じてくれ
09. 未明のサンバ
10. マイ・スウィート・ソウル
11(bonus track). ファンキーヴァイブレーション

Disc-2(DVD) *初回盤のみ
フラカン結成25周年ワンマンツアー「4人で100才」(2014.04.23 at京都磔磔)より
01.小さな巨人
02.ロックンロール
03.東京ヌードポエム
04.終わらないツアー

『Stayin’ Alive』特設サイト http://www.flowercompanyz.com/25sp/alive

■ツアー情報
フラワーカンパニーズワンマンツアー「Stayin’ Alive」
3月1日(日)北海道@札幌PENNY LANE24 open17:30/start18:00
3月7日(土)愛知@名古屋Electric Lady Land open17:00/start18:00
3月8日(日)愛知@名古屋Electric Lady Land open17:00/start18:00
3月13日(金)福岡@BEAT STATION open18:30/start19:00
3月14日(土)広島@CLUB QUATTRO open18:00/start18:30
3月28日(土)宮城@仙台darwin open17:30/start18:00
3月29日(日)宮城@仙台darwin open17:30/start18:00
4月10日(金)石川@金沢AZ open19:00/start19:30
4月12日(日)長野@長野CLUB JUNK BOX open17:00/start17:30
4月18日(土)東京@日比谷野外大音楽堂 open16:45/start17:30
5月30日(土)大阪@大阪城音楽堂 open16:30/start17:00
6月8日(月)岡山@ペパーランド open18:30/start19:00
6月10日(水)鹿児島@SR HALL  open18:30/start19:00
6月12日(金)長崎@STUDIO DO open18:30/start19:00
6月14日(日)高知@X-pt. open17:30/start18:00
6月21日(日)福島@郡山HIP SHOT JAPAN open18:00/start18:30
6月23日(火)新潟@CLUB RIVERST  open18:30/start19:00
6月28日(日)沖縄@桜坂セントラル open18:30/start19:00

チケット料金:
前売¥3600(税込/ドリンク代別) ※東京、大阪公演除く
※東京公演:前売¥4200(税込/全席指定) 
※大阪公演:前売¥4000(税込/自由席/整理番号有) 
一般チケット発売日:
札幌、名古屋、広島、仙台公演:2014年12月13日(土)10時
福岡公演:2015年1月17日(土)10時
金沢、長野公演:2015年2月7日(土)10時
東京公演:2015年1月25日(日)10時
大阪公演:2015年3月28日(土)10時
岡山、鹿児島、長崎、高知、福島、新潟、沖縄公演:2015年4月4日(土)10時

■ライブ情報
「フラカンの日本武道館~生きててよかった、そんな夜はココだ!~」
2015年12月19日(土)
会場:日本武道館
開場16:00 開演17:00
全席指定:5,800円(税込)
一般チケット発売日:2015年6月6日(土)

☆ファンクラブ会員先行受付 2/26(木)~スタート
ファンクラブ「ヤングフラワーズ」入会はコチラ

■フラワーカンパニーズオフィシャルサイト http://www.flowercompanyz.com/

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