嵐、AKB48、乃木坂46、BiSなどに楽曲提供 2014年期待の若手コンポーザーは?

川口進

DISH//「It's alright」MUSIC VIDEO

 2010年前後にブームを巻き起こしたテレビアニメ『けいおん!』。川口進はその番組内で活動するキャラクターによるバンド・放課後ティータイムの楽曲「ふでペン ~ボールペン~」を手掛けて、一躍その名を上げた作曲家/編曲家だ。その後はDISH//やSexy Zoneなど、徐々に男性アイドルへの楽曲提供が増加。2014年には嵐の「ミラクル・サマー」や、Sexy Zoneの「King & Queen & Joker」、ジャニーズWESTの「バンザイ夢マンサイ!」、Hey! Say! JUMPの「切なさ、ひきかえに」など、ジャニーズ系アーティストへの楽曲提供を数多く手掛け、次第に活躍の場を広げている。楽曲はキャッチ―でポップなものが多く、可愛さを打ち出すキャラクターソングから、さわやかな格好良さを演出するジャニーズまで幅広く手がける多才さも持ち合わせている。

河原嶺旭

乃木坂46 『世界で一番 孤独なLover』

 河原嶺旭は、音楽専門学校在学中にビーイングと契約を交わすほどの実力を持っている、期待の作曲家/編曲家の一人。2011年にAKB48へ提供した「風は吹いている」がオリコン週間シングルチャートで1位を獲得し、ミリオンセラーを記録したことから、「アイドルと同世代の作曲家」(当時23歳)として注目を集めていた。河原はそのほかにも、多数のアニメソングや乃木坂46の「世界で一番 孤独なLover」、SKE48の「嘘つきなダチョウ」を手掛けるなど、幅広い活躍を見せている。現在は海外に拠点を移して活動をしており、今後は世界的な活躍も期待されている。織田哲郎が手掛けるサウンドに見られるような、ポップで盛り上がる楽曲の中に、叙情的でオリエンタルなメロディーを混ぜ込む手法が特徴的。

Schtein & Longer

Especia 「No1 Sweeper」 MV

 Schtein & Longerは、BiS「nerve」の編曲や「My Ixxx」のリミックスを手掛け、近年では堀江系アイドルグループ・Especiaのサウンドプロデューサーを手掛けるクリエイター集団。生音をふんだんに使用した楽曲・アレンジが特徴で、Especiaのライブはバックバンド編成で行われることもある。また、80年代の音楽・映像と密接につながっており、インターネット上でここ数年急速に広まった音楽カルチャーであるヴェイパーウェイヴとの親和性も抜群なことから、アイドルやポップソングにこれまで興味を示していなかった層からの評価も高い。先日リリースしたアルバム『GUSTO』でもその実力を如何なく発揮しており、ネット上では今後の活躍が期待される作家として真っ先に名前が挙がる一人だ。

 音楽機材やPCの発展にともない、誰もが手軽に楽曲が作れるようになったことから、作曲家/編曲家/トラックメイカーを目指す若者が増えてきている現在のシーン。今回紹介した5人以外にも、ハイクオリティな楽曲を手掛けるコンポーザーは続々と登場しているので、作家を軸にJ-POPシーンを読み解いていくのも面白いかもしれない。
(文=編集部)

関連記事