もう1つのAKB48総選挙! 「ファンのみんなと一緒に勝ち取った」SHOWROOM選抜の意義

 今年のAKB48 選抜総選挙の選挙期間中に出馬メンバーらがインターネット上の仮想ライブ空間・SHOWROOMでアピール配信イベントを行っていた。今年で2回目となるアピール配信は5月25日から6月16日までの約3週間行われ、立候補した322人のメンバーは連日、リアルタイム生配信で総選挙にかける思いをアピール。メンバーたちはファンが投じる無料アイテムでポイントの順位を競っており、毎日獲得ポイントランキングを発表していた。ファンとメンバーは実際の選抜総選挙と同じくらい熱い争いを繰り広げていた。そして最終ランキング1位は6,600万ポイント以上獲得したチーム8 大西桃香、2位はNGT48 中井りか、3位はチーム8 佐藤栞となった。

センターはチーム8大西桃香

左から佐藤栞、大西桃香、中井りか

 そして7月9日の夜、SHOWROOMでアピール配信上位16名による「御礼配信」が行われた。AKB48、NGT48、SKE48 、STU48、NMB48など普段は一緒になることがほとんどない16人のメンバーが集結。1人ずつ名前を呼ばれて賞状をもらい、ファンに向かって感謝の気持ちを伝えていた。このアピール配信はメンバーが頑張るだけでなく、ファンも自分の推しメンを上位にするために、時間を割いて視聴し、ポイントアップに必要な無料アイテムを集めて、推しメンに投じた。まさにメンバーとファンのスマホを通じた“共同作業”だった。

 デッドヒートを繰り広げ2位になった中井は「昨年1位だったので今年も1位を狙ってファンと頑張ってきたが大西が強すぎて抜かすことができなかった。悔しかった。配信するために早朝から起きたり、3日間寝られなくて、咳をする血の味がするくらい配信した。来年はSHOWROOM女王の座を奪還したい」と語るほど過酷な戦いだった。


 そして番組も終盤に差し迫ろうとしていた時、司会者から1通の封筒が大西に渡された。「AKB48の49枚目シングルのカップリング曲としてSHOWROOM選抜16名での楽曲とミュージックビデオの収録が決定」と読み上げると、メンバーも歓喜の声をあげて喜んでいた。メンバーにとってはまさにサプライズ発表。スマホの前の5万人以上のファンからも「おめでとう」のコメントが相次いだ。

「ファンの人と一緒に掴んだ選抜」


 グループ初のSHOWROOM選抜のセンターとなる大西は「ファンが一緒に頑張ろうと協力してくれた。これはファンの人と一緒に頑張って掴めたセンター」と語っていた。今回の選抜はサプライズだ。“ご褒美”が最初から用意されていたわけではなかった。ファンへのアピールと自らの名誉のために配信していたが、結果としてSHOWROOM選抜の楽曲とMVに繋がった。AKB48グループにはこういうサプライズがあるから楽しい。努力が必ず報われるとは限らないが、努力しなければ何も変わらない。だが日頃のSHOWROOM配信ではメンバーはファンとのコミュニケーションを楽しんでおり、努力や義務を感じることはほとんどない。今回のアピール配信も日頃からの“ファンとの絆”の延長のようなものだった。

 また大西は「SHOWROOMでたくさんのファンに知ってもらえることを他のメンバーにもわかってもらえたと思う」とも語っていた。今回のアピール配信で上位だったメンバーは長時間にわたって配信していたため、多くの人にアピールできる機会になったとも言える。このイベントでメンバーのことを初めて知った、気になったから応援するようになったファンも多い。

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