甘狼このみ×鹿乃まほろ 対談 “好き”で繋がった2人が語る「ミリプロで叶えたい夢」

歌い手として活動をはじめ、メジャーでも歌手として長年活躍をしていた鹿乃がVTuber事務所『ミリプロ / Million Production』内の「ミリプロSONA」への加入を発表。同時に名義を配信の際に使用していた「鹿乃まほろ」へと統一した。
なぜ鹿乃はこのタイミングでソロの歌手活動からミリプロSONAに加入&活動を開始することにしたのか。リアルサウンドテックでは、ミリプロ(Million Production)の創設メンバーであり、高いイラスト・Live2D技術とショート動画でティーン層から絶大な支持を集める甘狼このみとの対談を企画。それぞれの出自は違えど、「表現者」として深く共鳴する二人の出会いから、ミリプロ加入に至るまでの経緯、お互いの印象や叶えたい夢まで、余すところなく語り合ってもらった。(編集部)
スト鯖で出会った甘狼このみと鹿乃まほろが“同僚”になるまで
ーーまずは甘狼さんがVTuberになり、ミリプロを設立した背景から教えてください。個人活動から間もなくミリプロを立ち上げられた経緯は何だったのでしょうか。
甘狼:元々は個人VTuberとして活動していたのですが、今の代表(CEOの島井尚輝氏)から声をかけていただいたのがきっかけです。最初は事務所を立ち上げるつもりなんてなくて、どうしようか迷っていました。でも、代表がその時やっていた仕事を辞めてまでミリプロを立ち上げようとする凄まじい覚悟を見て、「あ、私も迷っていちゃダメだな」と、一緒に活動を始めることを決めました。
ーーそもそも甘狼さんがバーチャルな姿で活動をしようと思った理由は?
甘狼:昔から絵を仕事にしたいという夢があったのですが、自分の絵だけで食べていけるほど世間は甘くない、という葛藤がずっとあって。そこで興味を持ったのがLive2Dでした。これにイラストを掛け合わせれば需要が高まるんじゃないかと思い、独学でLive2Dを勉強して、その第1作目として作ったのが「甘狼このみ」のモデルだったんです。せっかく作ったし、元々ゲーム実況やYouTubeを見るのが好きだったので、自分でもやってみようと思って始めたのですが、まさかこんなに色んな方に見ていただけるような存在になるとは思いませんでした。
ーー甘狼さんは今や大人気のVTuberのひとりですが、ご自身ではこのブレイクをどう俯瞰されていますか。
甘狼:正直、最初に思っていたよりはるかに順調で驚いています。もっと時間がかかると思っていましたし、成功してやるぞという野心があったわけではなく、イラストレーター活動の延長線上だと思っていました。目の前のやるべきことを一つずつ必死に積み重ねてきた結果、うまくいったのかなと感じています。
ーー特に2024年漫画誌『ちゃお』の読者アンケート「好きなVTuberランキング」で、兎田ぺこらさんに次ぐ2位にランクインされたのは、大きな反響を呼びましたね。
甘狼:アンケートを見るまで全く実感がなくて驚きました。ショート動画を投稿する中で、若い層が見てくれているコメントの雰囲気は感じていましたが、まさかここまでと思っていなくて。このランキングがきっかけで、様々な配信者さんや企業さんからのオファーが本当に増えたので、とても大きなターニングポイントになりました。
ーー創設メンバーとして、甘狼さんはいわゆる一人のプレイヤー以外にどのような役割を持っているのでしょうか。
甘狼:私は創設メンバーではありますが、他のメンバーより立場が偉いということは全くなく、みんなと同じ一人のタレントです。ただ、メンバーの中で一番運営や代表との歴が長い分、意見を言いやすい立場ではありますね。どうしても新人の子たちは運営さんに自分の思いを直接言いづらい部分があると思うので、みんなの意見を代わりに伝えたり、逆に運営側の意図をメンバーに翻訳して伝えたりと、「お互いの橋渡し」になれたらいいなと思って動いています。
ーー絶対に事務所にとって欠かせない役割だと思います。メンバーのみなさんやスタッフのみなさんと接する際に心がけていることは?
甘狼:最初は自然とやっていたことだったのですが、メンバーの人数が増えていくにつれて、意識して話さないと「この子としばらく話せてないな」ということが起きてしまうと気づきました。最近は自分から定期的に声をかけ、みんなの様子を聞くように心がけています。
ーー甘狼さんにとって、ミリプロはどのような事務所ですか?
甘狼:『ONE PIECE』の「麦わらの一味」みたいな感じです。タレント一人ひとりに違う目標はあるけれど、全員で事務所を大きくしていきたいという一つの大きな目標に向けて、一丸となって進んでいる雰囲気が凄く似ているなと。私自身もその一味のメンバーの一人であり、事務所そのものが「ルフィ」のような存在ですね。
ーーそんなミリプロに、メジャーシーンで活躍をしていたシンガー・鹿乃まほろさんが加入されました。そもそもお二人は加入が決まる前まで、面識はあったのでしょうか?
甘狼:『グランド・セフト・オートV(GTA5)』のストリーマーサーバー「NEWTOWN」(2026年2月)で一緒のチーム(どらごん・ぽめらにあん)になったんです。私は元々昔からファンとしてまほろちゃんの歌を聴いていたので「レジェンドが来た!」と、実はめちゃくちゃ緊張していました。
鹿乃:私はこのみちゃんのギャングチームに加入して早々に深刻なPCトラブルを起こして、マイクの声が一切入らなくなっちゃって……あのときは本当に迷惑をかけてしまって本当にこのみちゃんたちに申し訳なかったです。でもその後にコラボ配信などで何度も遊んでいく中で、自然と距離が縮まっていきました。
ーーそんな出会いがあったのですね。そこから時を経て、ミリプロに入ったきっかけは?
鹿乃:前の事務所にも良くしていただきとても良い環境でしたが、節目のタイミングで今後のことを考えたときに、ミリプロさんとの様々なご縁が重なって、新しい環境に挑戦してみようとなり、加入させていただく運びとなりました。
ーー歌い手、歌手、Virtual Artistとしてミリプロへ所属など、様々なシーンで活動してきたご自身の活動形態の変化や境界線についてはどう考えていますか。
鹿乃:私自身は境界線、活動形態の変化についてなど、実際のところは特に何かを意識しているということはありません。時代の流れに沿って、そのとき自分が「楽しそう!」「やりたい!」と思った気持ちを大事にして続けてきました。このみちゃんのキャッチコピーの「好きで繋がる」ではないですが、好きを追いかけ続けて「今」という感じです。
ーー時代の変遷とともに、ご自身の活動に自然と環境側が追いついてきているような気もします。
鹿乃:それはあまりにも恐縮すぎる表現かもしれないです(笑)。お話は戻りますが、活動形態によって特に境界線を意識していないというのは、いわゆる界隈は違えど全員インターネットのサブカルチャーを一緒に楽しんで盛り上げている同じ「クリエイター」だと思っているからです。呼ばれる名称が変わるだけで、自分の活動やクリエイティブを大事にする気持ちは変わらないはず。みんな横並びの一緒の存在だと思っています。
ーー鹿乃さんから見て、ミリプロという事務所の第一印象は?
鹿乃:等身大の女の子たちが一生懸命頑張っている姿が本当に眩しくて、胸がキュンッとなる甘酸っぱさがありました。実際に入ってみても、みんなは可愛いだけじゃなくて真面目で、活動にしっかりとしたプライドを持っていて。クリエイターとして凄く尊敬できる素敵なメンバーばかりです。
ーー入ってみて驚いたことなどはありますか?
鹿乃:本当にカルチャーショックの毎日です! ミリプロはスタッフさんも、タレントさんも代表を普通にいじっていたり、一緒になってゲームの練習や作業をしていたり、代表・スタッフ・タレント・全員が全員と本当に分け隔てなく仲が良くて驚きました。でもやる時はやるというメリハリが凄くある。みんながミリプロという箱を本当に好きで、一丸となって活動に真剣に向き合っている姿を見て、ここに入れて本当に良かったなと感じています。
ーーその刺激は、鹿乃さん自身の今後の活動にも活きそうですね。
鹿乃:日々とても勉強させていただいています。これまでは何でも自分一人で考えて抱え込んでやることが多かったのですが、ミリプロのスタッフさんやメンバーのアプローチの仕方を近くで見て、「こういうやり方、見え方があるんだ」と、今までとは違った取り組み方をたくさん吸収しているので、毎日が本当に刺激的で楽しいですね。
ミリプロのメンバーと音楽を通して「もっと心で繋がりたい」(鹿乃)
ーー先輩・後輩となったお二人ですが、加入後のコミュニケーションはいかがですか?
鹿乃:私は極度の人見知りなので、プライベートはすごく奥手で。「こんな時間に私から連絡したらウザいかな、キモいかな……」と深読みしちゃって、全然話しかけられなくて。この間もプロデューサーさんに「人にどうやって話しかければいいですか?」って真剣に相談しちゃいました(笑)。
甘狼:実は私たち既存メンバーも、まほろちゃんのことがレジェンドすぎて恐れ多くて、話しかけに行けなかったんです(笑)。お互いに「喋りたいのにいけない」という状態になっていたんですね。
鹿乃:ええー、私なんて本当にペーぺーですよ! 先輩風を吹かせる気なんて全くないですし、みんな本当に気軽に絡んでほしいです。
甘狼:まほろちゃんがそう言ってくれるなら、私が他のメンバーとの仲をどんどん繋いでいきたいです!
ーーちなみに鹿乃さんの加入後から現在に至るまで、お二人が一緒にゲームをしたこともあるんですか?
甘狼:起きている時間帯が合わなくて……。
鹿乃:あ、それは私が原因です。活動がはじまったらこんな時間に寝れない!と思って、所謂ゴールデンタイムといわれる20時に寝て深夜2時に起きるという、すごく極端な生活をしていて(笑)。もちろん、本格的に活動がはじまったら、さすがに生活リズムをみんなと絡みやすい時間帯に戻します! 『Apex Legends』や『VALORANT』、『Escape from Tarkov』などのゲームを一緒にやりたいです。ホラー以外なら何でも遊べるので、ぜひ誘ってください。
甘狼:ぜひ! 私もホラゲ以外は大歓迎なので、お互いオンラインにして遊びましょう。
ーーちなみに鹿乃さんから事務所の先輩の甘狼さんに聞いてみたいことはありますか?
鹿乃:どうしたらこのみちゃんみたいに、こんなに可愛いイラストが描けるようになるんですか?
甘狼:実は、私は人生でイラストの練習ってあまりしたことがなくて。小さい時から好きなものを好きなだけ描いていたんですけど、人生で一番成長したのはVTuberを始めてからなんです。毎日ショート動画を出すために、とにかく「描いて、描いて、描き続ける」ということをやり続けた結果、今があります。やっぱり、たくさん描くしかないんですよね。
鹿乃:凄い、やっぱり努力の賜物なんだなぁ。私はミリプロの宿題で絵日記のイラストを描かなきゃいけなくなった時、本当に苦手で絶望して、必死になって練習していたんです。身体を人間らしく描くのが本当に苦手で、私が描くとみんな複雑骨折しちゃう(笑)。だから、このみちゃんみたいにイラストもLive2Dも動画も何でもできる人を本当に尊敬します。
甘狼:嬉しいです! 今度、私のイラスト術の本(『完全セルフVTuberが教える! 一瞬で“かわいい”が作れるイラスト術』)をサイン付きでプレゼントしますね。
鹿乃:やったー、絶対ほしい!
ーー最後にお二人が今後、ミリプロでやってみたい活動や叶えたい大きな夢について教えてください。
鹿乃:私はミリプロで、歌を軸に活動していくのは大前提として、メンバーのみんなをもっと深く知って、もっと仲良くなりたいと思っています。そして、みんなと深く仲良くなったからこそ見えてくる一面にフォーカスして、その子のことだけを考えて曲を書き下ろしたりできたら、最高に楽しそうだなと思っています。音楽をライフワークとしてみんなと作っていきたいですね。
甘狼:それ、凄く聴きたいです! 一緒に活動するまほろちゃんだからこそ書ける視点の曲、絶対に素敵だと思います。私は……今年ライブを開催したばかりですが、より大きな箱でライブをしたり、大きなイベントを開催していきたいです。個人的にいつか叶えたい大きな夢は、ミリプロの「遊園地」を作ることです。
鹿乃:遊園地! 夢の規模が大きくてワクワクしますね!
甘狼:はい。単なる遊園地というよりは、世界観がしっかりとしたミリプロのテーマパークがよくて。アトラクションはもちろん、タレントたちとのグリーティングなどができる空間を、いつか絶対に実現させたいです。
鹿乃:ミリプロならいつか本当に叶えてしまいそうなエネルギーがありますよね。私もそこでお客さんを歌で出迎えられるように頑張ります!



















