橋本環奈とチェ・ジョンヒョプ、ついに想いを告白! 記憶と引き換えの結末を迎えた『バカンスの法則』最終週(16~最終話)振り返り

 現在放送中のABEMAのオリジナルドラマ『バカンスの法則』。人生にほんの少し疲れた主人公が、そこで出会ったミステリアスな管理人と恋に落ちていく。ふたりの時間が、忘れかけていた大切なものをそっと呼び戻す"デトックス・ロマンス"作品となっている。

 物語もついに完結へ。掟を破った西上に突きつけられた「記憶が消える」という代償、命がけで守ろうとした緑たちとの日々、そして結ばれた想いの先に待つ別れなど、これまでの伏線が一気に収束していく。本稿では8月31日、9月2日、9月4日に放送された16話から最終話までを振り返る。

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16話:掟を破れば記憶が消える 西上が託した「最後の望み」

 その日、別荘がある地域には台風が接近中。外に出るのが難しく、緑(橋本環奈)、紺太(勝地涼)、りんりん(山下美月)、紬(加納愛子/Aマッソ)、哲郎(桜田通)の5人は、家の中でトランプに興じながら台風をやり過ごしていた。

 一方その頃、西上(チェ・ジョンヒョプ)は上司である黄泉様(七海ひろき)と対峙していた。これまで声のみの出演だった黄泉様だが、最終章にしてついにその姿を現す。黄泉様が突きつけたのは最後通告だった。西上が掟を破れば、関わった人物は死神にまつわる記憶をすべて消され、西上自身もまた処罰を受けることになるという。

 その足で西上が向かったのは、海神(マキタスポーツ)と山神(前野えま)のもと。台風と土砂崩れを止めてほしいと頼み込む西上に対し、山神は「別荘で過ごす人間たちはこの1ヶ月遊び暮らしていただけ」と冷ややかに返す。しかし西上は「彼らにとっては別荘で過ごした時間が、未来に繋がるきっかけになるはずだ」と食い下がった。さらに「初めて自分が生きているって実感しました」と、死神らしからぬ本音までこぼす。自分を犠牲にしてでも人間を救おうとする西上の覚悟を見た山神は、山奥にある神社を訪ねるようアドバイスを送る。

 言われるがまま神社に足を運んだ西上は、そこで龍神様(武田鉄矢)と対面する。果たして西上は、運命を変えることができるのか。最終章に向けて、物語は大きく動き出す。

17話:西上と緑、ついに互いの想いを告白 最後に残した「ありがとう」

 地域の天変地異をすべて司るという神社で、西上は龍神様に土砂崩れを止めてほしいと頭を下げる。だが返ってきたのは、そう単純な答えではなかった。土砂崩れそのものは止められない。ただし、災難を逃れて助かるポイントならある。それが、今まさに西上が立っているこの神社なのだと龍神様は明かす。近くの谷や竹に守られ、災害の被害を受けない土地。土砂崩れが起こる前にたどり着けさえすれば、命は助かるのだという。

 聞くや否や、西上は雨風の中を別荘へと駆け戻る。折しも強風が吹き荒れるなか、緑は近くに実る夏みかんが気になって外に飛び出してしまい、西上に危ないと止められる。見れば実の大半はすでに落ち、木に残るのはたった1個。それでも諦めきれない緑に懇願され、西上はその1個を手に取って渡す。その瞬間、緑の中で何かがつながった。子供の頃の記憶。「私、あなたに会ったことがある」。ぽつりとこぼれた言葉に、西上は何も答えなかった。ただ「行きましょう」とだけ告げた顔は、この1ヶ月で見せたどの表情よりも柔らかかった。

 避難自体は無事に済んだものの、神社に着いてからも緑の心はどこか落ち着かない。頭をよぎるのは、別荘に残してきた亡き祖母の骨壺のことだ。りんりんは「台風が過ぎたらまた戻れるから大丈夫」と気遣うが、緑の表情は晴れない。「あそこに置いていたらダメな気がする」という一言に突き動かされるように、西上は大雨の中ひとり別荘へ引き返そうとする。緑が「どうして私にそこまでしてくれるんですか」と呼び止めると、西上は足を止め、緑の手をそっと取った。「この夏は最高のバカンスでした、ありがとう」。まるで別れの挨拶のようなその言葉に、緑は堪えきれず「西上さんのことが好きです」と想いをぶつける。西上も同じ気持ちを返し、韓国語で「永遠に」とひとこと添えて、静かに唇を重ねた。ようやく結ばれた二人を見届ける嬉しさと、この先すべての記憶が消えてしまうかもしれないという切なさが、同時に押し寄せてくる場面だ。

 別荘に戻った西上を、亡き祖母が出迎え、感謝を伝える。西上はふっと笑って「死神が人間を助けるなんて」と自嘲するように呟いたかと思うと、「最高のバカンスをありがとう、みんな」と最後にひと言残し、そのまま姿を消してしまう。入れ替わるように響いたのは、土砂崩れを思わせる重く不穏な音だった。

最終話:西上と緑、記憶を失ってもまた巡り合う 運命が繋いだ「再会」

 神社で無事に台風をやり過ごした緑たち。外に出ると、そこには祖母の骨壺が置かれていた。別荘は土砂崩れの被害に遭い、姿を消してしまっている。一同のバカンス生活は、こうして強制的に幕を下ろすこととなった。

 東京に戻った面々は、それぞれ心機一転、新たな一歩を踏み出そうとしていた。緑は別荘での集合写真をふと見返す。だが、そこにいたはずの西上の姿は謎の空白になっていた。緑の記憶から、西上という存在そのものが消え去っていたのである。

 一方、消滅したはずの西上は、黄泉様の友人にヘッドハントされ、思いがけず復活を果たしていた。なぜ人間を助けたのかと問われると、西上は「バカンスですから」と屈託のない笑顔で答える。ヘッドハント先の神は人間を助ける方針らしく、西上はその人材、もとい"神材"として、下界(人間界)で働くよう命じられることになる。

 行き先はどう決まるのかと思いきや、まさかのダーツ任せ。暗い空間で唐突に繰り広げられるコミカルなやり取りに思わず笑ってしまうが、放たれた矢は見事、あの別荘があった地域を指し示した。

 バカンス生活に幕を下ろし、それぞれの新しい日々を歩み始めたメンバーたち。1年後、紺太は少しずつ役者として認められ始め、りんりんはスーパーの店員に、紬は人気タロット占い師に、哲郎は釣り堀のあるキャンプ場のスタッフになっていた。そして緑は、あのバカンスをきっかけにイラストエッセイを描き始めている。

 久しぶりに訪れた別荘地。土砂崩れで様変わりしたその光景に、緑は静かに胸を痛める。そんな中、夏みかんを落とした一人の男性とすれ違う。西上だ。けれど緑には、もう彼との記憶がない。すれ違いざま、西上はそっと韓国語で緑の名を呼ぶ。運命の相手とは、何度離れてもまた巡り会うもの。

 たとえ記憶が消えても、心のどこかは覚えている。そんな確かな余韻とともに、『バカンスの法則』は静かに幕を閉じた。

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