時代が追いついた音声AIの雄 iFLYTEKが圧巻の技術とプロダクトで日本本格進出へ
iFLYTEK(アイフライテック)。リアルサウンドテックでは何度か取り上げている会社だが、まだ「どんな会社?」と思う人も少なくないだろう。
そのiFLYTEKが2026年7月、都内にてメディア向けの製品説明会を実施した。製品のアピールだけでなく、日本における同社の認知度向上というねらいもあるようだ。
人工知能企業のパイオニア
筆者は今年始め、iFLYTEKについてのコラムを書いたが、改めて簡単に「iFLYTEKとは何ぞや?」という部分を紐解いておこう。
1999年に中国にて創業し、以降音声技術や自然言語処理の分野に取り組んできたiFLYTEKは、2008年に深セン証券取引所に上場。記事執筆時点での時価総額は日本円で約2兆円規模となり、この規模は楽天グループ(記事執筆時点で約1.8兆円)や、東京ガス(記事執筆時点で約2.0兆円)に匹敵する。
主力となるのは、その技術力。特に音声に関する技術では多くの実績を誇り、近年のAIブームも相まってその市場も拡大している。具体的には2022年〜2024年の世界音声言語AI市場規模において、中国報告大庁の発表によればiFLYTEKがシェア8.1%で世界5位につけている。
これらの音声技術は、ガジェットというハードウェアのかたちでユーザーの手に届いている。特に日本ではクラウドファンディングに登場したのを皮切りに、アーリーアダプターや感度の高いビジネスマンがiFLYTEKの名を知ることとなった。
世界レベルの音声技術を搭載したガジェットたち
発表会では上述したiFLYTEKの技術や強みを紹介するとともに、売れ筋の製品が展示されていた。上の写真では2画面というユニークな特徴をもつ翻訳機『iFLYTEK デュアルスクリーンAI翻訳機』と、オフラインで文字起こしが可能なボイスレコーダー『VOITER SR302 Pro』が見える。
やはり2画面の『iFLYTEK デュアルスクリーンAI翻訳機』は個性的なのか、多くのメディアが質問をしていた。海外や英語取材が必要な場面において、非常に強力なガジェットとなるだろう。
こちらは録音や要約機能を備えたパワフルなAIスマートノート『iFLYTEK AINOTE 2』。E-inkペーパーとワコム技術提携による高品質な手書き体験を有しながらも、リアルタイム文字起こしやAIチャットもこなせるとても多機能な電子ノートだ。
さらには電子書籍リーダーにもなるというのだから驚きだ。実際担当者も「電子ノートの枠組みを超えた製品で、日本ではまだカテゴリ分けや認知が難しい」と吐露していた。グローバル規模では、こういった万能電子ノートはスマートオフィスブックと呼称されているそうだが、日本での認知は低いとのこと。
普段のビジネスシーンで使いやすい一台
様々な尖った製品をそろえるiFLYTEKだが、筆者が個人的に推したいのはこちらのボイスレコーダー。
『iFLYTEK AIボイスレコーダー P1 Pro』だ。推しの理由はズバリ、シンプルで使いやすく、コンパクトである点。形状も一般的なICレコーダー然としており、操作に迷いがない。それでいて集音性能は極めて優秀で、最大10メートル離れた相手の声も捉える。例えばしっかり録音するために、レコーダーをテーブルの奥までずずいっと移動させる必要もない。
OLEDのタッチスクリーンは視認性も良く、録音が終わってすぐにファイルの確認、内蔵スピーカーによるプレイバックも可能。また、本機は96kHz/24bitのハイレゾ録音・再生にも対応しており、ビジネスだけでなくクリエイティブやエンタメ領域のレコーダーとしても役割が持てる。
本機は過去にレビューしているが、集音性能については一切文句がなかった。実際に使ってみると、スティック状ゆえの持ちやすさや画面のタッチ感といった、手触りの部分で惹かれた部分が多い。シンプル、だがそれが良い。
リアルタイム文字起こし&翻訳にも対応する小さな相棒 iFLYTEKから待望の超小型AIレコーダー『P1』&『P1 Pro』登場
iFLYTEKの超小型AIレコーダー『P1』と高音質『P1 Pro』が登場。アプリ連携でリアルタイム文字起こし・翻訳に対応し、あ…価格も2万9800円と、iFLYTEKのボイスレコーダーラインナップの中ではかなり手頃な部類。実際のところ、本機より上位のモデルは筆者の仕事ではややオーバースペック(too much)と感じるほどだ。会議や講演(特に大きな会場で)の機会が多い人ならば、高品質なボイスレコーダーも使いこなせるだろう。
日本でのiFLYTEKは、これからが面白い
技術とハードウェア、そのどちらも完成度が高い。しかし日本では知名度が少ないのが、現状のiFLYTEKが抱える課題だという。ボイスレコーダーや翻訳機、AIスマートノートといったデバイスも、一般消費者ではなく専門的な職業に刺さるのが事実だ。
しかし、時代はAI。そして音声入力も浸透しつつあり、時代がiFLYTEKに追いついてきた感すらある。世界トップレベルの音声AI技術と、それを直感的に扱える完成度の高いプロダクトが、日本のビジネスパーソンやユーザーに受け入れられる下地は着々と整っている。今はまだ「知る人ぞ知る実力派メーカー」かもしれないが、iFLYTEKのロゴを見かける機会は間違いなく増えていくだろう。