にじさんじ・叢雲カゲツが届ける“夢と言葉” 天真爛漫なゲーム巧者、迷言の使い手、さまざまな魅力を紐解く
ジャンル不問、なんでもござれ “スポーツ系ゲーマー”としての顔
叢雲カゲツといえば、その高いゲームスキルで知られることも多い人物だ。FPS、アクション、パズル、ホラー、シミュレーション、クイズ、レース。シミュレーション系やサバイバルなど、ゲームに関してはなんでもござれとばかりに華麗な腕前を披露してくれる。強いて言えば、ストーリー性重視のRPGをあまりプレイしていないが、だからこそ傾向がとてもわかり易い。
手元の動きが忙しくアクション性の高いタイトル、ストーリーやシナリオに囚われず、その時その瞬間の動きや判断が求められるタイトルなど、eスポーツ寄りのゲームを好んでいるようにみえる。
たとえば、デビュー時に彼が得意タイトルとして挙げていたのは、FPSゲームとして人気の高い『Apex Legends』と『VALORANT』の2作品だ。
前者はゲーム内最高ランクのプレデターまで到達したことがあるほどの腕前で、デビュー初配信を終えてから「APEXでソロマスターになるまで耐久配信」をおこない、休憩を挟んだリベンジ配信のなかで無事に到達。約36時間にわたって『Apex』配信をおこない、その後も同作をプレイする際にはにじさんじ内、もといVTuberシーン全体のなかでもかなりハイレベルなプレイングを見せてくれる。
後者はデビュー配信の際に「数カ月前に初めてアセンダント2~3」と話しており、始めたてとは思えないほどの上達ぶりを見せ、その1カ月後には上から2番目のイモータルランクに到達。その後も何度かイモータルランクへ到達しており、『Apex Legends』と同様に高い判断力でチームを引っ張っていく姿でリスナーを楽しませてくれた。
この2作を使ったゲーム大会には何度と無く出場しており、樋口楓、星川サラのふたりと出場した『VTuber最協決定戦 Ver. Apex Legends Season6』では総合3位、『VTuber最協決定戦 Ver. VALORANT Act2』ではリーダー枠として出場するなど、強者であることを信任されてリーダー役を担当することもある。
だが2025年~26年にかけて、彼がもっとも熱中し、もっとも高みへと歩んでいるゲームがある。『STREET FIGHTER 6』である。以前執筆した伊波ライの記事でも取り上げたが、配信外で伊波からある程度の基礎を教えてもらったあと、プライベートの時間でミッチリとトレーニングモードで腕前を磨き、自身の配信でお披露目することになった。
その後の彼の成長ぶりは、彼のファンでなくとも耳にした人が多いかもしれない。初めて配信でプレイした1カ月後にはマスターランクへ昇格、その後ハイマスター、グランドマスター、アルティメットマスターとゲーム内の上位ランクを駆け上がり、とうとうゲーム内最高位であるレジェンドにまで昇格したのだ。
文章でのみ伝えると、あまりにも淡々と読めるかもしれない。時間軸を添えておくと、2025年2月9日に初めて配信で『スト6』をプレイし、5カ月後にアルティメットマスターへ、10カ月2025年12月には全プレイヤー間でも「上位0.2%」しかいないMR2000に到達、年をまたいだ2026年5月23日にレジェンドへと至ったのだ。プレイし始めてから1年少々でゲーム内でも超高位のランクへいたり、プロ選手ともやり合うレベルにまで到達した。その成長速度は言葉に尽くしがたい。
叢雲カゲツはあくまでVTuberであり、バーチャルタレントである。さまざまな視点から“プロである”ことを問うことができるが、叢雲カゲツは、そのゲームプレイを通じて多くの者に「オレにもできるんじゃないか?」と夢を見させてしまう、まごうことなき“プロ”へと至ったといえる。
そんな叢雲カゲツは、OriensとDyticaの2組のユニットによる合同ユニット・MECHATU-Aの一員として7月22日にはファーストミニアルバム『On-Deck!』をリリースし、2026年10月10日にはKアリーナ横浜で開催されるファーストライブ『Over Drive!』にも出演予定となっている。
22日にはファーストミニアルバム『On-Deck!』は、「オリコン週間デジタルアルバムランキング」「オリコン週間アルバムランキング」「オリコン週間合算アルバムランキング」で堂々の1位を飾り、Billboard JAPANの「週間アルバム・セールス・チャート“Top Albums Sales”」「Billboard JAPANダウンロード・アルバム・チャート“Download Albums”」「総合アルバム・チャート“Hot Albums”」で首位を獲得。CD売上32万枚以上を記録したと、関係サイトで報じられた。
同週にはK-POPユニットであるaespaの約2年ぶりとなる日本リリース作品『KISS N TELL』などがリリースされていたが、寄せ付けること無く1位を得て、上半期・下半期を通じて計測される2026年度のランキングにも顔を出しそうなほどの高いセールスを示したのだった。
ひるがえってみれば、それだけ多くのファンがOriensとDyticaの8人に夢・希望・理想を見出している、そんなことを書いてしまえる十二分な証拠ともいえる。叢雲カゲツは自身のゲームプレイで夢を見せることができた。では、大会場のステージ上ではどうだろう。その真価を見るのが、いまから楽しみである。