にじさんじ・小柳ロウが続ける「自分探し」の軌跡 “愛されキャラ”な一面など、新たな魅力を日々更新中
“にじさんじ外”への交流も拡大 多人数企画への挑戦と活躍
先述したような小柳の変化や成長は、もちろんこれまで彼が経てきた活動によってもたらされたのは言うまでもない。
ここで一度、にじさんじ全体の広がりに目を向けてみよう。2026年の現在、街角の隅やネットの広告など、さまざまな場所ににじさんじの面々が登場するようになった。にじさんじが生まれたばかりの2018年ごろには考えられない光景だ。
アニメイトなどのグッズ店舗の大きなスペースで販売されるようになったこと、人気の作品やアーティストとコラボするようになったことなど、にじさんじが著名になった理由はさまざまある。だが、もっとも効果的かつ持続的な成果をあげているのは、所属しているメンバーが自身の配信活動を通じて様々なタイプの活動者と交流を図り、数多くの視聴者に見てもらったことではないだろうか。シーンが続くかぎりは、今後もそれがスタンダードな認知獲得の方法であることは変わらないはずだ。
にじさんじには「にじさんじ外」の活動者とも積極的に交流するメンバーが多く存在する。葛葉や叶、ローレン・イロアスやエクス・アルビオ、アルス・アルマルや椎名唯華、魔界ノりりむや桜凛月などは、ストリーマーやeスポーツのプロプレイヤーとも積極的に交流している。
彼らがさまざまなカジュアル大会やサーバー企画で存在感を放ったことで、「にじさんじ」の知名度がぐっと高まったであろうことを、否定する人はいないはずだ。バーチャル・タレント・アカデミー(VTA)がスタートし、そこから輩出されたさまざまなタレントにも、大きな影響を与えている。特に、今回取り上げている小柳ロウが、そういった先人達の振る舞いを意識して活動しているのは間違いないだろう。
2023年10月に『ARK: Survival Evolved』をつかったサーバー企画「VCR ARK」に初めて参加して以来、『Grand Theft Auto V』『Minecraft』『Rust』など、小柳はにじさんじ内外で行われた多人数参加型企画に積極的に参加し、さまざまなVTuber、ストリーマーと仲を深めていった。
振り返ってみれば、約2~3週間前後の期間を通して行われることが多いサーバー企画に10回以上も参加している。また他にも、さまざまなゲーム大会・ゲームイベントへ出場してきた。活動をスタートして以来、こうして外部の配信者と交流してきた回数は20以上にも及ぶ。
これらのイベントや大会に向けて数日~数週ほどの練習を配信で行なうこともあるので、先程のサーバー企画の参加頻度とあわせてみると、「一年のほとんどで、なにかしらのサーバー企画やゲーム大会に参加している」と思えるほどである。
もちろんその時々によって関わりの深さに違いはあるが、小柳がここまで「大人数と関わろうとしている」こと、「大人数が参加するゲーム大会やサーバー企画へ参加しようとしている」ことは、初期の彼を考えれば注目に値する。
自分探しから始まった小柳ロウの物語、その先に見つけたものは?
小柳がにじさんじに入ったのは、「自分探しをしているなかで、何が向いているか分からなかった」からだとしている。
この話を聞いた月ノ美兎と卯月コウが
「普通さ、(自分が何に向いているか)わかんないとさ、面接うかんないじゃん」
「いまをときめくにじさんじに、『ちょっとオレ、なに向いてるかわかんねぇな』『にじさんじに入ったらわかるかもしれねぇ』って。それで受かるのがすごいよ」
このように小柳をイジり、同時に驚いてもいる。2人の指摘も、もっともだ。
こうしてみると、人見知りで一本気な小柳ロウが、意識的にコラボ企画や大会などに出ていることが理解できる。彼は、自分になにができるのかと自問しながら、さまざまな経験を経て彼なりの解に辿り着こうとしているのではないか、そんな風に小柳ロウを理解してもいいのかもしれない。
そんな小柳は、MECHATU-Aの一員として7月22日にはファーストミニアルバム『On-Deck!』をリリースし、2026年10月10日にはファーストライブ『Over Drive!』をKアリーナ横浜で開催する予定となっている。
それにくわえて、先述したように小柳は8月8日、9日、11日に開催される『にじさんじ甲子園2026』に初めて監督として出場し、夏の栄冠を勝ち取りにいこうと奮闘している。同大会は数々の先輩たちが出場し、覇を争ってきたにじさんじのなかでも屈指の人気企画だ。今年の大会は10人中8人が新監督として出場することとなり、小柳もおなじく初監督、それも後輩の立ち位置で頂点を目指すこととなった。
ライブイベントに音楽アルバム、所属するにじさんじにとって最も大きなゲーム大会に出場と、話題に事欠かない小柳ロウ。デビュー以前に「なにに向いているかわからない」と感じていた小柳は、人見知りでブレない性格を貫きながらも、大人数のなかに身を置き、多くの経験を経てさまざまな方面から信頼を寄せられるタレントへと変貌を遂げている。