大倉忠義「自分ができることをやってあげたい」 ドキュメンタリーで明かした、現役アイドルが後輩ジュニアを育成する意義と未来

 SUPER EIGHTの大倉忠義と、彼がプロデュースするジュニアたちの舞台裏に密着したドキュメンタリー『POTENTIAL 大倉忠義』が、7月16日からNetflixとPrime Videoで配信されている。#1では、ユニット未所属の次世代ジュニアによる『Showcase 2025 新星-SHINSEI-』(2025年12月開催)と、関西ジュニアの新春公演『関西ジュニアあけおめコンサート2026 A HAPPY NEW ERA PARTY』(2026年1月開催)、#2では東西のジュニア77名が集結した『ジュニア STAR to FESTIVAL 2026』(2026年1月開催)の裏側に密着。本稿では、番組内で紹介された大倉からジュニアへの伝言をピックアップしながら、彼のプロデュース論をひも解いていく。

ジュニアへの伝言「いまの自分たちに大事なことをきちんと見極める」

 大倉のプロデュース術のなかで印象的だったのが、ジュニア一人ひとりに合わせて向き合い方を変えている点だ。思うようなポジションを任されずに落ち込んでいるジュニアに対しては、その気持ちに寄り添いつつ、優しくアドバイスを送る。一方で、デビュー筆頭株のACEesのように恵まれたポジションにいるジュニアに対しては、「(そのポジションを)当たり前と思ってほしくない」とあえて厳しい課題を与えることも。

 これは、大倉がいまの自分に大事なことをきちんと見極めてきたからこそできる指導なのだと思う。“アイドル”とは、“プロデュース”とは、こういうべきであるという固定観念に縛られるのではなく、状況に応じて最適な選択をする。その順応性の高さこそが、プロデューサー・大倉忠義の強みのひとつなのだ。

『POTENTIAL 大倉忠義』本予告①|プライムビデオ

ジュニアへの伝言「対面でしか伝わらないことがある」

 コロナ禍以降、オンラインやリモートでやり取りが完結することが増えてきた。時間や場所にとらわれずにコミュニケーションを取れる便利さがある一方で、大倉は「(相手の気持ちを)くみ取るとかは、普段から会話をしていないとできない」と感じているようだ。

 STARTO ENTERTAINMENTのアイドルの多くは、グループで活動をしている。つまり、ジュニアたちもデビュー後はグループで活動することになる可能性が高い。

 アイドルファンは、推しひとりを好きになるわけではない。もちろん、そういうファンもいるかもしれないが、グループの雰囲気がいいに越したことはないだろう。だからこそ、相手の気持ちをくみ取る力は、ダンスや歌のスキルと同じくらいに必要だったりする。およそ四半世紀もの間、グループの一員として活動してきた大倉だからこそ、対話することの大切さを誰よりも知っているのだ。

 そんな大倉の“伝言”が、すでにジュニアたちに意識の変化をもたらしている。ACEesの佐藤龍我が番組内で「(メンバー同士で)ご飯に行って、めっちゃ話しています」「より(絆が)深まった。より真剣になった」と話していたのが印象的だった。日頃から、メンバー同士で目標を共有し、そこに向かうまでに自分たちに何が足りないのかを話し合う――そんな時間の大切さについて伝えられるのは、現役のグループアイドルとして活動している大倉だからこそだと思う。

ジュニアへの伝言「夢を追った時間こそがかけがえのないものになる」

 後輩たちのプロデュースに乗り出した理由について、「自分の昔を重ねた」と大倉は話している。デビューという夢を掴めず、苦しかった日々。隠れて泣いたこと。「彼らも同じなんじゃないか?」という想いが、大倉を新たな挑戦へと動かした。

 「僕は夢をかなえさせてもらった立場だから、その喜びを知ってる」「同じ気持ちをみんなに味わってもらいたい」という大倉だが、アイドルとして第一線で活躍しながら、後輩たちの人生を背負うプロデュース業まで担うのは、並大抵のことではないはず。「俺、めちゃくちゃ頑張ってる!」と主張してもいいはずなのに、大倉は「すれた子もいないし、一生懸命だし。自分らができることをやってあげたいと思わせてくれる」と、あくまで“ジュニアの子たちのおかげ”というスタンスを忘れない。 

「あいつらにはあんま言ってないんすけど、絶対デビューさせたいんすよ」

 もちろん、全員が夢を掴める世界ではない。そんなことは、大倉が誰よりも分かっている。それでも……と思わせる力が、今のジュニアたちにはあるのだろう。大倉は、自分がプロデューサーとして成功したいわけではない。彼の活力は、ただ自分が経験した悔しさを後輩たちには味わわせたくない――ただ、その一心なのだ。

 『POTENTIAL 大倉忠義』を見て、こんな愛を持った人にプロデュースをしてもらえるジュニアたちは、きっと幸せだろうなと思った。自分よりも、自分のポテンシャルを信じてくれる人がいる。もしも自信を失った時、その事実がきっと彼らの心の支えになる。10年後、大倉が育てたジュニアたちが、それぞれの場所で輝いている姿を見るのが楽しみでならない。

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