YouTubeチャンネル「うじとうえだ」はなぜ大ブレイク? 佐久間Pも絶賛する「面白さ」の要因を分析
YouTubeチャンネル「うじとうえだ」が絶好調だ。2024年9月に開設され、現在は80万人超の登録者を抱える同チャンネルは、直近では月3回を目安に更新されており、どの動画も安定して200万~300万の再生数を記録。一風変わった“旅番組”を配信し、注目を集めている。
「うじとうえだ」の「うじ」は元芸人のブチギレ氏原のこと。“すべてのコメント(あるいは事象)にブチギレる”という配信企画で大ブレイクし、YouTubeのスーパーチャットの金額で世界1位(デイリーランキング)を記録したことも。高校時代の同級生&芸人時代の相方で、いまも同居しているサカモトとのYouTubeチャンネル「GGチャンネル」は上記の「来たコメント全てにキレる生配信」がメインコンテンツだったが、最近では「うじとうえだ」の準レギュラーとしてサカモトの人気も高まっており、“コンビ”としても好調だ。
「うえだ」は放送作家・ディレクターで、「うじとうえだ」の企画・撮影・編集を手掛けている上田氏のこと。自身もYouTubeでビッグヒットを飛ばしている佐久間宣行のお気に入りで、作家として『ゴッドタン』や『あちこちオードリー』を手がけるほか、「BSノブロック~新橋ヘロヘロ団~」にレギュラー出演中。基本的に裏方ながら演者としての能力が異常に高く、笑いを増幅するボケの要素が強いツッコミで、以前手掛けていたYouTubeチャンネル「怪物くん」時代から多くのファンがついている。
そんな二人がタッグを組んだ「うじとうえだ」は、もちろんただの“旅行チャンネル”ではない。「嫌がる演者をよくしゃべるディレクターが振り回す」という構図は『水曜どうでしょう』に近いが、YouTubeらしく“全年齢対応”感のない、より尖った内容になっている。
氏原はそもそも旅行が嫌いで、食にも観光やアクティビティーにもまったく関心がない。基本的には、夜のお店に行くことだけをモチベーションに旅に付き合っているというスタンスで、積極的に楽しもうとするのはいつも、準レギュラーのサカモトや、度々ゲスト出演している人気YouTuberのたかさき(ニートと居候とたかさき)だ。日中は低いテンションで文句を言い、海外でも日本のチェーン店での食事を求めるなど、視聴者にとってはストレスになってもおかしくない立ち回りをする氏原。しかし、看護師で理学療法士の実姉から痩せ細った身体を「飢餓状態の老人以下」と指摘され、胃が荒れるため21時以降は食事ができず、夜にはっちゃけようと思えば恥ずかしいエピソードを残す……という不憫さが勝ち、突飛な行動を起こすサカモトや、「面白さ」が正義の体力おばけ・上田氏に振り回される姿を見ていると、むしろ彼こそが良識的に思える瞬間があるのが面白い。
一方の上田氏は「怪物くん」時代から、誤解を恐れずいうと“ダメな人間”の面白さを引き出すのが抜群にうまい。師匠にあたる佐久間宣行は、「売れているタレント」をうまく起用するより「売れるべき/何かを持っているタレント」を見出してブレイクさせる達人として知られるが、上田氏は「売れないはずのタレント」を面白おかしく料理してしまう特異な能力を持っているのだ。その意味では、すでに十分に人気があり、“まとも”な部分も見え隠れする氏原とのタッグが爆発的な面白さを維持できるか不透明な部分もあったが、様子がおかしすぎるサカモト(明るいイケメンなのに友達がいない、というのが本当に怖い)が準レギュラー化したことでチャンネルが完成した感がある。普段の作家業に加え、自身で企画・撮影・編集に出演までした長尺の旅動画を月に3~4本アップするという、狂気のスケジュールをこなしてきた上田氏に対し、佐久間Pは3月放送の『MEGUMIママのいるBar』(テレビ朝日)で、「同年代がやっていたら悔しくてたまらなかったと思う」と評価しており、いまやテレビ業界でも注目の若手作家/ディレクターと言えるだろう。
「うじとうえだ」の見どころは、旅行ならではの風景や食事ではなく、少しの非日常を含んだ、くだらなくも笑える人間ドラマだ。事実、せっかくハワイにいるのにほぼホテルで酒を飲み続けるだけの動画が350万回近い再生数を記録しており、視聴者は「企画」自体には注目しつつ、「旅先」についてはわりとどうでもいいと考えているのではないか。「子どもに見せられない」というほど過激ではないが、「大人が笑えるYouTube」であることは間違いなく、ハマれば更新の通知を心待ちにする日々が始まるだろう。