『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』満を持して配信 ヴァンサバライク×「ドラクエ」の相性は?

 4月21日、『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』がリリースされた。

 「ドラゴンクエスト」シリーズの最新モバイルゲームとして、発表時から注目を集めてきた同タイトル。本稿では現時点での評価と今後の課題について考えていく。

「ドラゴンクエスト」シリーズの最新モバイルゲーム『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』

『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』オープニングトレーラー 4月21日正式サービス開始!

 『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』は、「ドラゴンクエスト」シリーズから登場した、モバイル向けのローグライク・アクションRPGだ。プレイヤーは、自動で攻撃を行うキャラクターを操作し、次々と現れるモンスターたちを討伐。成長の要となる「冒険スキル」を取捨選択しながら、ステージの踏破を目指していく。

 特徴となっているのは、「ドラゴンクエスト」ならではの世界観と、ローグライクのジャンルに影響を受けたランダム要素の強いシステム。ゲーム内には、シリーズでおなじみの武器や特技/呪文、モンスターなどが多数登場する。また、ステージの形状や、敵を倒すことで習得できる「冒険スキル」の選択肢は、挑戦のたびに変わるため、毎回異なる体験が可能だ。ステージや冒険スキルの性質を理解し、戦略的にプレイを進めること。これが同タイトル最大のゲーム性である。

 『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』は、2025年9月にその存在が明かされた。発表の翌月には、30,000名の応募者を対象にしたクローズドβテストも実施されている。その後、サービスの開始に向け、目立った進捗はなかったが、4月15日に突如として配信日が発表に。満を持して、世界同時リリースを迎えた形だ。

 基本プレイ無料・アイテム課金型で、AndroidとiOSに対応する。なお、ゲーム内では現在、見た目装備やジェムなど、冒険に役立つさまざまな報酬を獲得できるリリース記念キャンペーンが開催されている。

『Vampire Survivors』ライクな『ドラゴンクエスト』に

 人気RPGシリーズのモバイル向けスピンオフとして話題を集める『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』。同タイトルはそのゲーム性もあり、発表当初から『Vampire Survivors』のフォロワーのひとつと見なされてきた。

 『Vampire Survivors』とは、2022年10月に正式リリースを迎えたローグライクRPGである。プレイヤーは、いくつかのプレイアブルキャラクターのなかから1体を選び、次々と押し寄せるモンスターたちを倒しながら、ステージのなかで30分間生存することを目指す。

 モンスターの打倒/ステージの探索から手に入れられるEXPジェムを集めると、レベルアップすることができ、そのたびに武器やアイテムを入手できる。一連のルーティンを繰り返し、少しずつキャラクターを強化。強力な敵の襲来に備え、生存時間を伸ばしていくことが同作のゲーム性だ。

Vampire Survivors [Nintendo Direct 2023.6.21]

 『Vampire Survivors』はリリース以降、口コミで話題を広げ、大ヒットを記録。Xboxやモバイル、Nintendo Switch、PlayStationといったPC以外のプラットフォームにも移植され、一大トレンドを築き上げた。以降は、そのゲーム性を模倣したタイトルが多数発売され、「ヴァンサバライク」というサブジャンルも確立されている。

 説明からわかるとおり、『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』もまた、同様のゲーム性を体験の根幹としている。広くはヴァンサバライクのジャンルに分類される、「ドラゴンクエスト」シリーズのスピンオフとも考えられるだろう。

 一方で、『Vampire Survivors』のヒットからは時間が経っていることもあり、その後のトレンド化は落ち着きつつある面もある。そのため、『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』発表のタイミングでは、界隈から「なぜいまヴァンサバライクのスピンオフをリリースするのか?」という声も散見された。そうした背景もあり、同タイトルが市場の覇権を握れるかに注目が集まっている現状だ。

『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』実際の出来は?

 はたして実際の出来はどのようなものだったのか。蓋を開けてみると、『Vampire Survivors』と同様の構造となっているのは、ゲーム内に多数用意されているステージ内のシステムのみだった。キャラクターには、武器や防具、メモリといった装備アイテムや、ステージを出てもリセットされない固有のレベルが用意されているため、そのプレイ感は、どちらかと言うと、伝統的なRPGに近いのかもしれない。

 SNS上には、そうした「ドラゴンクエスト」らしいシステムと、ヴァンサバライクらしいローグライク要素との融合を好意的にとらえる声が多くあった。特に後者に関して、「操作は移動のみで、キャラクターは自動で敵を攻撃する」という仕組みに支えられたステージプレイの気軽さは、『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』ならではの個性であるとも言えるだろう。この点は、ある意味で「放置系」から影響を受けているとも考えられるのではないだろうか。

『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』ゲーム紹介PV 事前登録受付中

 その一方で、ヴァンサバライクの成分が薄いことに否定的な声も。『Vampire Survivors』に没頭した経験を持つフリークにとっては、同作のシステム、「ドラゴンクエスト」の世界観を両立していることが『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』最大の魅力だったのだろう。『Vampire Survivors』との比較という意味において、期待度が高くなりすぎてしまったことが、そうしたマイナスの印象を生じさせた可能性もある。

 とはいえ、期待どおりの好スタートを切ったと言える『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』。リリース翌日の4月22日夜には、100万ダウンロードの突破と、セールスランキングでの首位獲得といった明るいニュースも舞い込んできた。同タイトルは今後、さらに勢力を拡大していくことができるだろうか。ネームバリューのあるシリーズからのスピンオフであるだけに、初速の維持が目下の課題となっていきそうだ。

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