サンリオが自社ゲームブランド「Sanrio Games」を始動 3年で10タイトルを投下、Switch向け新作まで飛び出した発表会をレポート

 株式会社サンリオは4月21日、自社パブリッシングによる新たなゲームブランド「Sanrio Games(サンリオゲームズ)」の始動を発表した。

(C) 2026 SANRIO CO., LTD. 著作 株式会社サンリオ

 同日に都内で開催された発表会には、代表取締役社長の辻󠄀友邦氏と常務執行役員の浜崎公輔氏が登壇。これまでライセンスビジネスを主軸としてきた同社が、なぜ今、自らゲームのパブリッシングに乗り出すのか。その背景には、単なる収益の多角化に留まらない、「グローバルIPプラットフォーマーへの脱皮」という壮大な野心があった。

 本稿では、初公開された第1弾タイトル『サンリオ パーティランド』の詳報とともに、同社が描くゲーム事業の未来図を詳細にレポートする。

ライセンスから自社投資へ、サンリオが踏み出す新たな領域

左から発表会に登壇した浜崎公輔氏と辻󠄀友邦氏 (C) 2026 SANRIO CO., LTD. 著作 株式会社サンリオ

 サンリオという企業は、創業以来「みんななかよく」という理念を一貫して掲げてきた。その歩みは、ハローキティをはじめとする450以上のキャラクターIPを通じて、世界中に幸せの輪を広げるための歴史であったといえる。

 これまでのサンリオにおけるゲーム事業は、外部のパートナー企業にキャラクターの使用権を貸し出すライセンス形式が一般的であった。しかし、今回発表された「Sanrio Games」では、サンリオ自身が投資を行い、企画からパブリッシングまでを手掛けるとのことで、これは従来までのビジネスモデルを大きく転換させるものである。

 辻󠄀社長は、2025年5月に発表した長期ビジョン「みんなを笑顔に導く灯台に」の中で、サンリオを「グローバルIPプラットフォーマー」へと進化させる決意を述べており、今回のゲームブランド設立はその中核を担う重要な戦略として位置づけられている。

 なぜサンリオは、今このタイミングで自社パブリッシングを選択したのか。その背景には、ゲームというメディアが持つ圧倒的な体験の深さとファンの熱量がある。浜崎常務は、ゲームを単なるエンターテインメントの一つとして捉えるのではなく、サンリオキャラクターとファンが直接触れ合うための強力な接点であると強調した。これまでのグッズ販売やテーマパークといったリアルの接点に加え、デジタル空間での濃密な体験を提供することで、サンリオというブランドへの没入感を高める狙いがある。

(C) 2026 SANRIO CO., LTD. 著作 株式会社サンリオ

 特に、現代のエンターテインメント市場において、ユーザーがそのコンテンツに費やす時間は「夢中時間」という指標で語られることが多い。サンリオは全社的なKPIとしてこの夢中時間を重視しており、ゲーム事業を通じて今後3年間で累積20億時間という目標を掲げた。これは、ライセンス供与だけでは成し得なかった、より深く、より長いファンとの関係構築を目指す姿勢の表れといえる。

145種以上のキャラが集結する第1弾タイトル『サンリオ パーティランド』

 発表会で最も注目を集めたのは、Sanrio Gamesの記念すべき第1弾タイトルとして発表された『サンリオ パーティランド』だ。2026年秋にNintendo SwitchおよびNintendo Switch 2向けに発売される本作は、まさにサンリオの理念をデジタル空間で体現するプロジェクトである。

(C) 2026 SANRIO CO., LTD. 著作 株式会社サンリオ

 舞台となるのは、数多くのサンリオキャラクターたちが暮らす賑やかな街である。プレイヤーは自分だけのオリジナルアバターを作成し、この街の住人となってキャラクターたちと交流を深めたり、共にミニゲームやボードゲームを楽しんだりすることができる。特筆すべきはそのボリュームで、145種類以上のサンリオキャラクターが登場し、45種類以上のオリジナルミニゲームが収録される予定だ。着せ替え、シール集めといったコレクション要素も盛り込まれており、子供から大人まで、さらにはかつてサンリオに親しんでいた親世代までもが一緒に遊べる設計となっている。

 『サンリオ パーティランド』が目指すのは、ゲームを通じて自然と会話や笑顔が生まれるコミュニケーションの場を提供することであるという。サンリオは、この作品をデジタルにおける「パーティの場」と位置づけており、家庭内での団らんはもちろん、オンラインを通じて世界中のファンが繋がる未来を描いている。グラフィック面においても、サンリオキャラクター特有の可愛らしさを最大限に引き出すためのこだわりが随所に散りばめられており、ファンにとってはまさに“待望の空間”が提供される。

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