PPP STUDIOが声優・高槻かなこ所属バンドら含む音楽レーベル設立 "10秒逆算"で楽曲を設計する「SNS時代の360度モデル」掲げる
TikTokクリエイターマネジメントで知られるPPP STUDIOが4月3日、都内でエンターテインメントレーベル「PPP Viral Entertainment」の設立記者会見を開催した。
レーベルヘッドを務める福田幹大氏が掲げたビジョンは「SNSのヒットから世界基準のエンターテインメントを生んでいく」というもの。まずTikTok、Instagram、YouTubeショートでバズを起こし、配信チャートへ送り込み、ライブでのブランド化を経てグローバル展開するというロードマップを示す。また同社代表取締役・若井映亮氏は、2017年からショート動画プロモーションで蓄積した知見を「アーティストの本格的なサポートに生かしたい」と語った。
特筆すべきは、その制作思想だ。福田氏は「10秒で刺さる音、フック、イベントを設計する」と発言。3〜5分ある楽曲の魅力を逆算して楽曲を作るという、ショート動画起点の制作フローを標榜する。ミッションとして「一瞬で心を掴み、世界中で愛されるエンターテインメントを作る」を掲げ、バリューには「クリエイターファースト」「データと感情の融合」「エンタメに垣根をなくす」の3点を設定した。
この「垣根をなくす」が最も野心的なポイント。音楽レーベルでありながら、あえて"エンターテインメント"を標榜し、傘下にゲームストリーマー団体「THE EXZO」を新設。これで音源制作、ライブ制作、クリエイターマネジメントに加え、SNSコンサルティングまで一気通貫で行う360度型のレーベルモデルを構築した。福田氏の「SNSのコンサルまでやるレーベルは、多分うちだけ」という言葉からも自信を感じた。
レーベルの第1弾アーティストとして発表されたのは、6人組ロックバンド・Voice Connectと、チャンネル登録者数77万人のYouTuberグループ・ニシコリ。そしてTHE EXZOにはVTuberのバル子、ストリーマーのしのり、アイドルグループ・TRIBの楠つきみが加わる。
Voice Connectは「カウンターバイラルロック」をテーマとするバンドで、メンバーにはMrs. GREEN APPLEの元メンバー・髙野清宗(ベース)も含まれる。
昨年末には、声優・アーティストとして約10年のキャリアを持つボーカル・高槻かなこが加入。会見では「自分の叫びをずっと押し込めてこの10年間生きてきた。やっと自分を解放できる場を得た」と感慨深げ。4月29日に2ndシングル「333(ミミミ)」をリリース予定で、8月14日には渋谷Spotify O-EASTでワンマンライブを開催する。
一方のニシコリは英語、ポルトガル語、津軽弁という多言語を武器にした4人で、YouTubeのチャンネル登録者数は77万人超え。会見では全員が靴を忘れて引き返したエピソードを明かすなど、終始カオスな空気を振りまいた。リーダーのユーダイは「一番大事にしたいことは人間らしさ。楽しい、辛い、悲しい、悔しい、そんな気持ちを表現していきたい」と意気込んだ。
デビュー曲「We Are The NISHIKORI」は4月4日にデジタルリリース。そして偶然の一致か、Voice Connectと同じ8月14日の昼に渋谷・O-EASTでワンマンライブ「真夏のスターライト」の開催も発表した。また会見中にはメンバーのジュンジが、Voice Connectのサカノウエヨースケに楽曲制作を直談判し快諾される場面もあり、レーベル内コラボも活発に行われるのかもしれない。
「ショート動画で回して、ロングで愛されるモデルを確立する」。福田氏のこの一言が、レーベルの本質を端的に表している。バイラルの瞬発力と音楽の持続力。この相反する要素をどうプレゼンテーションしていくかが、本レーベルの真価を決めそうだ。