いまでは多くの芸能人がYouTube上に自身のチャンネルをもっており、それぞれがライフスタイルやビジネスについて発信している。2020年から栃木県大田原市で牧場「NASU FARM VILLAGE」を経営するほか、アパレルブランドを手がけるなど実業家の一面をもつ紗栄子のYouTubeには、美容やファッション、旅行のほか、モデルや牧場、保護猫活などの仕事風景など幅広いコンテンツが投稿されている。2020年9月に投稿された1本目の動画では、牧場事業をはじめたことを報告し、今年2月には牧場経営の経緯に言及。客として訪れた際に、この牧場の馬たちの命が危ぶまれていることや、スタッフの雇用が続けられない可能性が高いと聞き、「ここで出会った人たちと出会った動物たちをどうしても守りたくって」と、説明している。ちなみに牧場経営は、紗栄子が独断で決めたこと。誰にも相談せずに移住し、保護馬活動を始めたことを明かした同動画には、大きな反響が集まっている。

　そして、俳優として輝かしいキャリアを築きつづける仲里依紗は、ドラマ撮影の裏側や試写会密着動画を投稿しているが、なかでも人気なのが爆買い企画だ。今年7月に投稿した爆買い動画では、「諭吉40枚（40万円）」のバッグをはじめ、高額商品が次々と登場。値段がわかっているものだけでも90万円ほどの買い物をしており、同企画史上最高額を更新したという。「里依紗さんの爆買いは皆んなを幸せにする」というように、爆買い動画から元気をもらっているコメントが多くあり、俳優のときとはまったく異なる仲の魅力に沼る視聴者が続出している。

　杏はというと、フランスでの生活や料理の様子をYouTubeを通して発信。2023年5月にはフランス移住後初となるドライブに挑戦し、初めて握る左ハンドルと右側通行に緊張しながらも、目的地であるコストコでの買い物やエッフェル塔を眺めながらドライブを楽しんだ。なかでも注目を集めたのは、パリでの運転で難所といわれる、凱旋門のラウンドアバウト（ロータリー）を難なく走り抜ける姿。フランス在住の視聴者やパリを訪れたことのある視聴者から、大きな反響が集まった。

　忘れてはならないのは、やはり辻希美だ。2019年5月のチャンネル開設以降、辻は料理や子育てを中心にさまざまなコンテンツを投稿。2024年12月に投稿した動画の撮影日は長女・希空がインフルエンサー活動開始の直前とあって、自身の仕事に加え、長女の活動準備や3兄弟の学校や病院などでスケジュールがパンパンのなか、夕飯用に酢豚と青椒肉絲を同時進行で作る姿がある。しかしその後、子どもから約束していたパスタのリクエストがあり、急遽パスタも追加。多忙のなかでもしっかりと子どもたちのために料理を作る様子には、多くの視聴者から尊敬の眼差しが注がれていた。

　YouTubeにはどういった生活や活動をしているのか、人となりを発信できるというメリットがある。このメリットは新しいファンの獲得やコアなファンの創出に繋がっているのだが、MEGUMIや紗栄子のようにマルチに活躍する芸能人こそ、あまり報じられることのない活動を発信することで、そのメリットをより享受できるように感じられる。活動内容に加え、その意志をも自ら伝えられるYouTubeは、“謎”に包まれた部分が多い著名人の“強い味方”といえるだろう。