連載:エンタメとテクノロジーの隙間から(第四十九回)

mixi2に熱狂している30代男性が、初代mixiで過去の“黒歴史”を発掘しようと試みたら

 12月、年の瀬、師走。タイミング的に1年を振り返る内容にしようと思っていたのですが、そんな締めのテンションを吹き飛ばすニュースが飛び込んできました。

 「mixi2、突然のサービス開始」。

 まさか、令和に「mixi」という文字列で心が躍るとは思っていませんでした。

 主に30歳以上のみなさんはもれなく触れていたであろう「mixi」。筆者も多分に漏れず、好きな音楽やお笑いのコミュニティに入ったり、他人と紹介文を書き合ったり、オフ会に参加したりしたものでした。

 ただ、この「mixi2」はかつての「mixi」と少し様子が違います。まずは登録の方法も「完全招待制」と少しハードルが高め。リリース初日の段階ではどうやって登録するんだ……と思っていたのですが、偶然知人が招待コードを発行していたため、504エラーの荒波を乗り越えながらなんとか登録&ログインに成功。UIがとても洗練されているのと、投稿をタイムラインで見る形式になっており、第一印象は「完全に初期Twitter」でした。現在のXと比べて広告もないし快適……と思っていたところ、mixi時代からある「コミュニティ」がmixi2最大のウリであることを知り、試しにいくつかのコミュニティに入ってみることにしたのですが……。

 

 コミュニティに入ると、入ったコミュニティの投稿が頻繁に流れてくるため、タイムラインが荒れて見づらいのなんの。さすがにこれは無理だなと思い、最低限のコミュニティにだけ入ることに。後に知ったのですが、設定画面からコミュニティの投稿をタイムラインに表示しないようにできるようです。さすがmixi、抜かりない。

 コミュニティ機能を一通り使ってみた印象として、かつてのmixiのノリをやろう!とみなさん息巻いておられる様子。ただ、30歳を過ぎて同じノリになるのはやっぱり難しい……。これに関しては今の自分に合う温度感の場所をゆっくり探すとしましょう。このコミュニティ機能を運営・ユーザーともに使いこなせるかどうかが、今後のmixi2の鍵になっていると思うので。

 とはいえ、mixi2自体の熱狂はしっかりと味わい、発展可能性はあると感じたので、立て続けにメディア用のアカウントも制作。おかげさまでフォロワーの方が現在2000人を超えております。ありがとうございます。

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12月16日、MIXIから新たなSNS『mixi 2』がリリースされた。『mixi 2』は招待制を採用する完全クローズドなSNS…

 mixi2の感想はこんなところなのですが、続編あるあると申しましょうか……2に触れると1を振り返りたくなる、というのはこの世の常。かつての自分のアカウントはどうなっていたのかと思い、久しぶりにmixiにログインしてみることにしました。

 かつて使っていたメールアドレスと、大量に使い回していたパスワードを入れて……ログインできませんでした。その後も色々な組み合わせを試してみましたがまったくダメ。パスワードを再設定しようと試みるも、知っているアドレスにはすべて再設定のメールが届かず。ということは忘却の彼方にあるアドレスの可能性もありそうです。“抜かりない”mixiは、救済措置として誕生日やニックネームをもとにメールアドレスを思い出させる機能なんてものも設けてくれているのですが、自分の名前と生年月日を入れても引っかからない。どうやら過去の自分は誕生日の「おめでとう!」「ありがとう!」というやり取りが億劫になり、これらの情報を非公開設定にしていたようです。コミュ力の低さはこんなところでも仇になる。

 ログインができなくとも、どうにか自分のアカウントくらいは特定できないかと思い、当時の友人のHNを記憶の隅の隅から引っ張り出し、住んでいた地域&mixiネームの検索条件で一致しないかと検索をかけまくると、見事にヒット。その友人のマイミク欄から辿り、かつての自分のアカウントとようやくご対面。そこまで面白そうなことは書いていませんでしたが、当時入っていたコミュニティの一覧(ラーメンズ、相対性理論、The Drums……)を見るだけでも、“あの頃”がフラッシュバックしてくるようでテンションが上がりました。今日はこのコミュニティ一覧を肴に一杯やってみるのもいいかもしれません。

 これを読んでいるみなさんの中にも、筆者と同じように「ログインしてみようとしたけどできない!」というかつてのmixiユーザーは多いはず。この機会に改めて、あなたの”黒歴史”を巡ってみてはいかがでしょうか。

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