世界(EXILE/FANTASTICS)と和田昌之が語る『BATTLE OF TOKYO 超東京拡張展』の裏側 「ここからまた新たなBOTの物語を」

 

――45人のクリエイターさんを集める際に、こだわったことや大事にしていたことはなんでしょうか。

和田:イラストレーター・漫画家と一重に言っても、日本の10代に人気のある人と、50代に人気のある人は違うじゃないですか? 海外から見て人気のある人も違うし。そういった方々をなるべくバランスよくというのは意識していました。とはいえ、僕1人ではどうしても偏ってしまうので。幅広い分野にアンテナを張っている世界さんが「こういう方、参加していただくのはどうですか?」とアドバイスをくれたおかげで、1段階も2段階も深くなったなと思っています。

世界:いえいえいえ……(照)。逆に僕の一存で「あの人に描いてほしい」だけで集めちゃうと、全体のバランスがおかしなことになっちゃいますから。最終的に各チームに1人ずつレジェンドクリエイターが配置されているのを見て、和田さんが上手くバランスをとってくれたんだなと思いました。

和田:クリエイターさんのお声がけ段階では、メンバーから「ギャグ漫画家さんに描いてほしい」って要望があったりもしたんですけどね(笑)。1回目の開催だし、なるべく絵柄のテイストの統一感を揃えたかったので、今回はSFが得意な方々にお願いしようと。

世界:あくまでも『BATTLE OF TOKYIO』の世界観を第一に、というのを徹底してましたね。

――ちなみに、『BATTLE OF TOKYO 超東京拡張展』の図録で参加している方々のプロフィールを見て、Fateシリーズに関わっている人がすごく多いなと思ったんですけど。

一同:(口を揃えて)そうなんです!

世界:参加クリエイターを発表した時も「ほぼFGOじゃねーか」って言われてましたね。でも、あえて狙ったわけではなくて。人気のイラストレーターさんがほぼ全員関わっているくらい、FGOがすごいんですよ(笑)。むしろFGOに関わってない人を探すのが難しいんです。で、必然的にこうなりました。

――あと、これも深読みしすぎかもしれないんですが……Astro9のご飯担当・HAJIME≠澤本夏輝を描かれたTAa先生が、漫画『衛宮さんちの今日のごはん』の作者で“ご飯繋がり”だったり、自転車乗りのDILL≠堀夏喜を描かれたReDrop先生が、ホリナツさんと同じ愛知県出身だったのが気になりまして。

世界:そういう繋がりや、今後のコラボレーションを見据えたキャスティングじゃないかって? そこまでは考えてなかったですね。偶然です(笑)。

和田:でも、深読み考察は大歓迎ですね! 僕も世界さんも、みなさんからいただく意見が大好きですから。BOTのような様々なメディアミックスの展開を見据えた企画では、今後もファンのみなさんの自由な発想を取り入れていけたらと思っています。

――麻宮騎亜先生が描かれたTEKUさん、臨場感がすごいですね。

世界:どこか高いところから飛び降りて、空を飛んでるシーンが、そのまま切り取られていますよね。

和田:(図録に掲載されているイラストを見ながら)このTEKUの角度、やっぱりすごいなぁ……。重力も感じるし、風も感じるし、映画を観ているような迫力がある。

世界:やっぱり麻宮さんは、SFとアクションの融合がお上手ですね。TEKUの周りに描かれている炎も、一般的には『鬼滅の刃』の煉獄さんのように、下からボォォォっと燃え上がってくる炎を描くことが多いと思うんですけど、麻宮さんしか描かないようなまっすぐな炎になっているんですよ。この描き方は僕が好きな90年代っぽい表現でもあるので、僕の好きな要素を取り入れて描いてくださったことも、すごく嬉しかったです。

――制作中、クリエイターさんからアドバイスを求められることは多かったんですか?

和田:そうですね。例えば、新條まゆさんはご自分のXでもおっしゃっていた通り、最初から「吉野北人くんで!」と指名されていましたし。浅見ようさん(Libra≠奥田力也を担当)やタスクオーナさんのように、もともとBOTやLDHアーティストを好きでいてくださって、詳しい方もいらっしゃるんですけど。初めてLDHのアーティストに触れるという方も多かったので、相談しながら制作を進めていただきました。

――特に印象的だった相談というと?

和田:さくしゃ2さん(X≠松井利樹を担当)だったら、「ハッキング集団のJIGGY BOYS(≠BALLISTIK BOYZ)は、どういうお菓子を食べていたらいいと思いますか?」とか。平尾さんだったら、「JUDY≠後藤拓磨が乗ってるバイクは、改造車なのか、実際に売っているバイクなのか、どっちですか?」とか。細やかなディテールの質問もありました。

世界:まあ、そうなりますよね。原作小説では描かれているけど、ライブでは表現されていない設定もあるし。小説版で、まだ描かれていない設定もあったりするし。

和田:そうそう。とはいえ、原作小説のファンやアーティスト本人のファン、さまざまな角度からBOTを応援してくださっている方がいることを、クリエイターのみなさんもよく理解されているので。作品に愛情を込めて、丁寧に制作してくださいました。

 たとえば、タスクオーナさんが担当されたClaude≠日髙竜太は、2人のClaudeが背中合わせになっているのですが、JIGGY BOYSにいる、明るく元気な現在のClaudeと、過去にブルーシールドという組織の尖兵だった時代の、暗い雰囲気のClaudeが対比的に描かれています。

 このように、物語を知っている方が見ると、より深い発見が得られるようなイラストばかりなので、有難いことに「イラストをきっかけに小説を読んでみた」「LDHのアーティストに興味を持った」という声もいただきました。

関連記事